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労働相談 退職願の撤回

更新日:2019年4月5日更新 印刷

問                             

 私は、大学を卒業してあるメーカーの正社員として営業の仕事をしていますが、前々から大学の先輩に「うちにこないか」   と転職の誘いを受けていたこともあり、数日前に「一身上の都合のため退職したい」と直属の上司へ退職願を提出しました。ところが、昨日転職予定の会社から、「不渡りを出して雇うことが出来なくなった」との連絡で状況が変わり、いまの会社に留まりたいと考えています。

 会社への退職願を撤回することはできるでしょうか。

 

答                             

 退職願を提出したということですが、これは、労働者が会社との合意による雇用契約の解約の申入れを行ったということであり、会社がこれを承諾するまでは、退職願を撤回することができます。

 会社の承諾については、退職願の承認権限を有する者が、退職願を受理したことで雇用契約の合意解約が成立するとする裁判例があります(大隈鉄工所事件、最三小判昭62年9月18日)。

 相談者の場合、退職願を撤回できるかどうかは、退職願の承認権限のある者が退職願を受理したかどうかで決まることとなり、退職願が直属の上司のもとに留まっていて、その上司は退職承認の権限を有していない場合であれば、退職願は撤回できると考えられます。

 いずれにしても、早急に退職願の撤回の意思を会社に伝えるようにしてください。

 また、相談内容では、先輩の転職の勧誘が退職の動機とされていますが、他にも会社の働きかけがないかなど明らかではありませんので、参考までに、退職の意思表示に瑕疵がある場合の意思表示の無効等について説明します。

【参考】

退職の意思表示に瑕疵がある場合の意思表示の無効等   

 1 真意によらない意思表示(心理留保)  

会社を辞める意思がないのに労働者が退職願を提出するなどの場合で、会社がそのことを知っているか、あるいは知っていたと推認できる場合は、退職の意思表示は無効となります。

 2 錯誤による意思表示   

解雇事由があるかのように誤って思い込みこれを避けるため退職願を提出したような場合は、退職の意思表示に錯誤があり無効となります。

 3 強迫による意思表示   

懲戒解雇や不利益取扱いをほのめかされるなど労働者が畏怖心を抱いて退職願を提出したような場合は、退職の意思表示は取消すことができます。

法、根拠等説明 

民法第93条(心裡留保)

   第95条(錯誤)

   第96条(詐欺又は強迫)

【参考判例】

(心裡留保により無効となったもの)

 昭和女子大学地位保全仮処分申立事件(東京地裁平成4年2月6日決定)

(錯誤があるとして無効としたもの)

 学校法人徳心学園(横浜高校)地位保全仮処分申立事件(横浜地裁平成7年11月8日決定)

(脅迫によるもので取消行為により無効とされたもの)

 ニシムラ地位保全金員支払仮処分申立事件(大阪地裁昭和61年10月17日決定)

 

【平成25年10月当初掲載(平成28年3月・平成31年4月更新)】

労働に関する相談は下記の各労働者支援事務所で受け付けています

福岡労働者支援事務所  :TEL 092-735-6149
北九州労働者支援事務所:TEL 093-967-3945
筑後労働者支援事務所  :TEL 0942-30-1034
筑豊労働者支援事務所  :TEL 0948-22-1149
 

※相談受付時間:開庁日の8時30分から17時15分(祝日及び12月29日から1月3日を除く月曜日から金曜日)

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