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労働相談 (働き方改革関連法の概要(2) 勤務間インターバル)
質問
働き方改革関連法に基づく法律改正により「勤務間インターバル」制度の導入が努力義務となったようですが、当社(製造業、従業員200名)でも導入を検討したいと思います。どういう制度なのか教えてください。
答
働き方改革関連法が2019年4月1日から順次施行されることになりました。法改正のうち「長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現」の中で、「勤務間インターバル制度」の普及促進等がうたわれており、これに基づき「労働時間等設定改善法」が改正され2019年4月1日からはこの制度の導入が努力義務となります。
勤務間インターバル制度とは、前日の終業時刻と翌日の始業時刻との間に一定時間の休息時間を確保する制度です。この仕組みを導入することで労働者の十分な生活時間や睡眠時間を確保できることになります。
法律には具体的内容(休息時間を何時間に設定するのか等)は定められていませんので会社ごとにその内容について検討する必要があります。
例えば 始業8時~終業17時、インターバル時間を11時間に設定した場合。
仮に23時まで残業した場合はその11時間後の翌日10時までは、8時の始業時間を過ぎたとしても、労働させてはならないことになります。8時から10時までは働いたとみなす方法や始業時刻を8時から10時に繰り下げる方法等が考えられ、労使の話し合いであらかじめ定めることになります。
インターバル時間については自由に設定できますが判断に迷うと思います。EU諸国ではすでにこの制度が導入されており、EU労働時間指令では24時間につき11時間の休息が定められています。
また労働時間等設定の改善の取組みが他の事業主によって阻害されることがないよう取引先事業主に対しても、期間設定・発注内容の頻繁な変更に関する配慮も求めています。
さらに勤務間インターバル(9時間以上)制度の導入にあたり、中小企業事業主が就業規則の整備や労務管理に関する研修会等を実施する際の費用の一部を助成する「時間外労働等改善助成金」制度があります。
「勤務間インターバル」は時間外労働の上限規制をはじめとした他の取り組みとあわせて実施することでいっそう効果が上がると考えられます。
この制度の施行日は2019年4月1日です。会社の規模によって施行日が異なることはありません。
【関係条文】
労働時間等設定改善法 第1条の2第2項、第2条1項4項、第7条
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