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労働相談 (正規雇用と非正規雇用)
質問
私は現在求職活動中です。正社員・パート・アルバイト・契約社員・派遣社員など、いろいろな名称がありますが、これらの働き方は、どのような違いがあるのでしょうか?
答
多くの事業所において、正社員・パート・アルバイト・契約社員・派遣社員など様々な呼称や契約内容の労働者がいますが、各事業所でその具体的な働き方は異なります。
そこで、まずは、求人内容をきちんと把握することが大切です。分からないことがあれば、会社やハローワークの担当者に、仕事の内容、契約期間、賃金、勤務時間、休日といった「労働条件」を確認しましょう。
各々の名称について、「一般的にこのような区分をしている会社が多い」という点から特徴をまとめると、次のとおりと見込まれます。
1 正規雇用(正社員・正規従業員等)
期間の定めのない労働契約のもとで、企業の中心的な業務に携わる労働者です。
定年までの長期的な雇用関係が前提となること、企業内での系統的な教育訓練を受けることや、労働条件では、定期昇給が実施される、賞与や退職金が支払われるなどが特徴です。
2 非正規雇用
(1) パートタイム労働者(パート)
1日または1週間の所定労働時間が正社員よりも短い労働者の意で、法律では「短時間労働者」といいます。求人では「パート」「パートタイム」と呼ばれることが多いようです。
契約期間については、有期労働契約であるか期間の定めのない労働契約であるかは、事業所によってさまざまですが、賃金は時給制とする場合が多く見受けられます。
なお、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」(以下「パートタイム労働法」)により、事業主には、パートタイム労働者に対する労働条件の明示義務や均等・均衡待遇の確保等、様々な措置が義務づけられています。
(詳細は、「パートタイマーの均衡処遇」「パートタイム労働法改正」参照)
(2) アルバイト
パートタイム労働者と同様の意で、求人をみると、学生やフリーターを雇う場合は「アルバイト」、主婦・主夫を雇う場合は「パート」と呼んでいることもあるようです。
なお、1日または1週間の所定労働時間が正社員より短い労働者の場合は、パートタイム労働法の適用があります。
(3) 契約社員
期間の定めがある労働契約(有期労働契約)を結び、雇用される期間を決めて働く労働者を指す場合が多いようです。原則、期間満了で雇用契約は終了しますが、更新される場合もあります。
また、正規雇用と同じようにフルタイム勤務である場合が多く、賃金は月給制である一方、賞与や退職金は支給されない等、処遇の差が多く見られます。
(4) 派遣社員
労働者が派遣会社(派遣元)と労働契約を結び、派遣元と労働者派遣契約を結んだ会社(派遣先)に派遣され、派遣先の指揮命令を受けて働くものです。
なお、労働者派遣法では、派遣労働者の保護や雇用の安定を図るため、主に以下の規定が設けられています。
(詳細は、 「労働者派遣法改正」参照)
・雇い入れ前の待遇に関する事項の説明
・労働条件、就業条件、派遣料金の明示
・均衡を考慮した待遇の確保のための措置
・キャリアアップ措置
・雇用安定措置 など
(5)その他の名称
上記のほか、非正規雇用において見受けられる名称としては、「期間社員」「定勤社員」「嘱託」等があり、事業所によって様々な名称が用いられています。
(6)有期労働契約の更新について
平成24年の労働契約法の改正により、有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できる権利が明文化されました。
なお、通算契約期間のカウントは、平成25年4月1日以降に開始する有期労働契約が対象です。
(詳細は、「有期労働契約の更新」「有期労働契約の不更新条項」参照)
【参考】
・「労働法」第十版 菅野和夫 著
・「働く人のハンドブック」(福岡県)
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