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労働相談 (派遣労働者と労働組合法 )
問
派遣労働者が労働組合に加入し派遣先企業と団体交渉を行うことができますか。
答
派遣労働者が独自に労働組合を結成すること、あるいは既成の労働組合に加入することは全く問題なく、使用者は労働者が加入する労働組合(合同労働組合を含む)から団体交渉の申入れがあった場合は、正当な理由がない限り拒否できません。
ただし、派遣労働者が雇用契約を結んでいるのは派遣元企業であり、派遣先企業ではありません。従って、団体交渉の相手方、すなわち使用者は原則として派遣元企業となります。
しかし、次の場合、派遣先企業も労働組合法上では使用者とみなされ、該当事項について団体交渉を求められたときは応じなければなりません。
(1)派遣労働者の基本的労働条件について、派遣先企業が派遣元企業と部分的とはいえ同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位にある場合、派遣先企業が自ら決定できる労働条件(派遣労働者の勤務時間の割り振りや労務提供の態様及び作業環境など)
具体的には、セクシュアルハラスメント・妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関する防止等適切な就業環境の確保については、派遣先の講ずべき措置とされていますので、交渉事項となります。
(2)派遣労働者と近い将来において雇用関係が成立する可能性が現実的かつ具体的にある場合、直接雇用後の労働条件
なお、派遣先は、労働組合員であることや労働組合の正当な活動を理由に、派遣労働者に対して不利益な取り扱いをすることは禁止されています。
根拠法令等
労働組合法第7条(不当労働行為)
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律
第27条(契約の解除等)
第45条(労働安全衛生法の適用に関する特例等)
第47条の2
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第十一条の二(職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置)
育児・介護休業法第二十五条(職場における育児休業等に関する言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置)
【判例等】
朝日放送事件 最高裁判所第3小法廷判決 平成7年2月28日
クボタ事件 中央労働委員会命令 平成21年10月1日
【平成26年7月当初掲載 (平成31年4月更新)】
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