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くらし110番 2023年3月
2023年3月5日付朝日新聞から。
記事は原則毎月第1日曜の朝日新聞西部本社版に掲載されています。
賃貸住宅 入居・退去時の費用請求
「借り主負担」特約などよく確認 「原状回復義務」部屋の記録残す
こんなケース、あんなケース
- 10日ほど前に不動産会社で賃貸アパートを申し込んだ。明日、契約書を交わす予定だったが、物件の場所が通院には不便な気がしてきたので、先ほどキャンセルを申し出た。10万円の違約金を請求されたが、支払わないといけないだろうか。
- 敷金なしのワンルームの賃貸アパートを退去した後、原状回復費用として33万円を請求された。内訳はクロスの張り替えやルームクリーニングの費用となっているが、高すぎるし、貸し主が払うべきではないだろうか。
気をつけよう
進学や就職、転勤などの節目となる春は、賃貸住宅への入居・退去が多くなる時期です。トラブルを未然に防ぐため、注意事項を確認しておきましょう。
まず、物件を申し込む際は、入居後の生活や周囲の環境などを十分に検討しましょう。万一、自己都合でキャンセルすることとなっても、原則、賃貸借契約の締結前であれば違約金は発生しませんが、申し込みは慎重に行いましょう。
契約時には、契約内容や特約、重要事項説明をよく確認しましょう。禁止事項、退去時の費用負担に関する事項のほか、「ルームクリーニングの費用は全額借り主負担」といった特約がないか十分確認しましょう。
入居時と退去時には、貸し主と一緒に部屋の状況を確認し、傷などがあれば写真を撮るなど記録を残しましょう。
入居中は、トラブルが発生したらすぐに貸し主に相談しましょう。トイレの水漏れなど緊急の場合でも、借り主が貸し主に無断で修繕を行うと、その内容や金額について貸し主とトラブルになることがあるので、注意が必要です。
退去時は、精算内容をよく確認し、納得できない点は貸し主に説明を求めるようにしましょう。退去の際、借り主は建物を元の状態に戻す義務(原状回復義務)がありますが、経年変化や通常使用による損耗は貸し主の負担となります。国土交通省HPに掲載されている「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を参考にしてください。
トラブルになった場合は、早めに消費生活センターに相談しましょう。
消費者ホットライン 188(いやや!)
お住まいの地域の消費生活相談窓口につながります。