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労働相談 便宜供与
問
労働組合を結成しました。そこで会社に組合費の天引き(チェックオフ)を要求したいのですが、会社(使用者)が労働組合の組合費を組合員の賃金から差し引いて当該組合に渡すことは、労働組合法第7条第3号で禁止している経費援助に該当しますか。
答
ご相談のチェックオフ制度については、組合活動に対する経費援助ではないとされ(注1)、また、労働組合の運営に対する支配介入ではないとされています(注2)。
組織運営のため使用者から経費援助を受ける労働組合は、労働組合法上の労働組合として認められないことになりますが、労働組合の自主性を損なわず、また労働組合法による使用者の経費援助に該当しない便宜供与として、
1 労働者が就業時間中に賃金を失うことなく使用者と協議・交渉すること
2 組合の福利厚生資金などに使用者が寄付すること
3 最小限の広さの事務所の供与
を挙げています。
実際にはこれ以外に、在籍専従制の承認と部分的な給与負担、組合掲示板の貸与、組合費のチェックオフ制度など、様々な便宜供与が労使の慣行や協定によって実施されています。
なお、チェックオフの実施に当たっては、労働基準法第24条第1項に定められているとおり、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による労使協定を締結する必要があります。(チェックオフ協定)
労使協定を結ばずに組合費を差し引けば、労働基準法上の全額払いの原則に違反することになります。
法、根拠等説明
労働組合法第2条第2号(労働組合)
第7条第3号(不当労働行為)
労働基準法第24条第1項(賃金の支払)
注1 昭和24年8月8日付 労発第317号
注2 昭和24年8月1日発 労働省労政局労働法規課長発内翰
【平成24年12月当初掲載(平成28年3月、平成31年4月更新)】
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