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労働相談 賃金の一方的変更

更新日:2019年4月5日更新 印刷

 先日社長から、「業績不振のため給料を減額する」と言われました。「子どもの学費や住宅ローンがあり困る」と言ったら、不満なら辞めて貰ってもかまわないと言われました。会社は一方的に賃金の引き下げが出来るのでしょうか?

 賃金は、労働条件の最も重要な要素の一つであり、原則として使用者は、労働者との合意を得ないまま一方的に労働者の不利益となる労働条件変更をすることは出来ません。(「働くとき、雇うときのルール」の「労働条件の不利益変更」「労働協約の改定による労働条件の切り下げ」参照のこと)

 ただし、就業規則の変更による場合で一定の条件を満たせば、各労働者の同意が無くても不利益変更できる場合があります。

 就業規則も変更されておらず、あるいは元々就業規則がない場合には、社長に対して賃金を減額する理由について十分な説明を求め、他に取るうる方法がないかなど、しっかり話し合いましょう。引き下げの理由が業績悪化ということであれば、他の労働者にも同様な提案がされているかを確かめ、自分だけが対象になっているなら、その根拠を尋ねるなど、賃金引下げの理由について合意できるか確認しましょう。

 その理由が客観的かつ合理的で社会通念上相当と認められない場合には、賃金の一方的変更が無効となり得ることから、労使の話し合いで解決していく方法も有効と考えられます。

 話し合いによる合意に至らない場合は、お近くの労働者支援事務所に相談ください。

1 労働契約の内容の変更(労働契約法第8条)

 労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。

2 就業規則による労働契約の内容の変更(労働契約法第9条、第10条)

 使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。

 ただし、次の場合は、使用者が就業規則の変更により、各労働者の同意が無くても不利益変更できると限定的に規定されています。

 労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。

法、根拠等説明

  労働基準法第2条(労働条件の決定)

  労働契約法第第3条(労働契約の原則)、第8条(労働契約の内容の変更)、第9条・第10条(就業規則による労働契約の 内容の変更)、第12条(就業規則違反の労働契約)

  判例

   大曲市農業協同組合事件(最高裁第三小判決昭和63年2月16日)

   チェース・マンハッタン銀行事件(東京地裁平成6年9月14日)

   第四銀行事件(最高裁第二小判平成9年2月28日)

   アーク証券事件(東京地裁平成12年1月31日)

   みちのく銀行事件(最高裁第一小判平成12年9月7日)

【平成24年6月当初掲載(平成28年3月、平成31年4月更新)】

労働に関する相談は下記の各労働者支援事務所で受け付けています

  福岡労働者支援事務所  :TEL 092-735-6149

  北九州労働者支援事務所:TEL 093-967-3945

  筑後労働者支援事務所  :TEL 0942-30-1034

  筑豊労働者支援事務所  :TEL 0948-22-1149

 ※相談受付時間:開庁日の8時30分から17時15分(祝日及び12月29日から1月3日を除く月曜日から金曜日)

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