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労働相談  競業避止義務

更新日:2019年4月5日更新 印刷

  県外の医療機器販売会社に10年間勤務していましたが、業績悪化から大幅な賃金カットを通告されたため、生活に支障がでるので退職しました。
 その後、同じ会社を以前退職した先輩の誘いで、県内の別の医療機器販売会社に就職することになりました。
 従前の会社とは営業エリアは重複しないのですが、就業規則に競業他社に就職を禁ずる旨の規定がありました。このまま就職したら問題が生じるのでしょうか。

 「競業避止義務」とは、労働者が使用者と競業する企業に就職したり、自ら競業する企業を設立したりしない義務をいいます。
 

在職中の競業避止義務

 在職中に、競業他社でも働くことで企業秘密が漏えいしたり、顧客を奪って使用者に損害を与える恐れがあるため、一般的に労働契約における信義誠実の原則に基づく付随的義務として、競業避止義務を負うとされています。違反すると退職金の減額又は不支給となったり、損害賠償請求をされる場合もあります。
 

退職後の競業避止義務

  しかし退職後については、職業選択の自由が保障されており、競業避止義務を当然かつ一般的に負うものではなく、競業行為によって使用者の企業秘密が他企業に流出し、使用者が決定的な打撃を受けるような特殊な場合を除き、退職前の使用者との競業行為にも従事できるとされています。(「退職・解雇」の「誓約書の提出」参照のこと)
 
 退職後も競業避止義務を課す場合には、使用者は就業規則や特約等に必要かつ合理的な範囲で法的根拠を明示することが必要です。
 
 また、就業規則に退職後の競業他社への就職を禁じる規定があったとしても、
  ア)競業行為を禁止する目的・必要性
  イ)退職前の労働者の地位・業務内容
  ウ)競業が禁止される業務の範囲・期間・地域
  エ)代償措置の有無
 等を総合的に考慮し、その制限が必要かつ合理的な範囲を超える場合には、公序良俗に反し無効となります。

 仮に、競業避止義務が否定された場合でも、競業行為が、社会通念上自由競争の範囲を逸脱した違法な態様で雇用者の顧客を奪ったと見られるような場合は、不法行為になることもあります。

 ご相談のように営業エリアが競合しないことだけをもって判断することは難しいので、上記の基準に基づき慎重に検討することが必要です。

法、根拠等説明

  憲法第22条第1項  職業選択の自由

  民法第1条第2項及び労働契約法第3条第4項   信義誠実の原則

  民法第90条      公序良俗違反

  民法第709条     不法行為による損害賠償

  判例
   フォセコ・ジャパン・リミティッド事件 奈良地裁判決(昭和45.10.23)  競業行為禁止の仮処分決定
   東京リーガルマインド事件 東京地裁決定(平成7.10.16) 営業禁止の仮処分却下

【平成24年2月当初掲載(平成28年3月、平成31年4月更新)】

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