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労働相談 労働者の損害賠償責任

更新日:2019年4月5日更新 印刷

 

  3ヶ月前にトラック運転手として雇用され、会社の車で荷物を配送しています。
  つい最近、私の不注意でトラックをガードレールに接触してしまい、会社から修理代金の全額を請求されていますが、支払いに応じなければならないのでしょうか。

  労働者が仕事をする中で会社に損害を与えた場合、損害賠償責任を負いますが、その損害の負担割合は、故意・過失の有無や程度、業務内容(指示内容)、労働条件、勤務態度、加害行為の内容、会社の日ごろからの予防対策の状況などを総合的に考慮して、損害の公平な分担という見地から相当と認められる限度において判断されます。
  会社の車にかけられている損害保険から補てんされる額については原則として弁償しなくてよいと思われます。
以上のことを踏まえて、会社とよく話し合われてはいかがでしょうか。また、お近くの労働者支援事務所においてご相談にも応じます。
なお、会社との話し合いによる合意に至らないケース等で、会社が一方的に労働者の賃金から損害金を天引きした場合は、「賃金の全額払い」に違反することになるため、未払い賃金として支払い請求できると思われます。

損害賠償の法的根拠

 労働者は、債務不履行(労働義務違反)や不法行為により使用者に損害を与えた場合、損害賠償責任を負います。[民法第415条、第416条、第709条] また第三者に損害を及ぼした場合は、使用者責任を前提に使用者から求償権( 求償=使用者が被害者に払った損害賠償分の返還を労働者に求めること)を行使されることもあります.。[民法第715条1項、第715条3項]

労働者の責任制限について

  使用者が労働者に対して金銭賠償を求めることは、資力の乏しい労働者にとって過酷すぎることから、裁判例は信義則に基づく責任制限法理を採用しています。
  これは労働契約の特質(指揮命令下の労働、業務上の過失は企業経営上起こりうることであり、事業活動によるリスクはそれにより利益を得ている使用者が負担すべきという報償責任の要請)を考慮し、会社の損害賠償及び求償権の行使を一定の割合で制限しようとするものです。

具体的な判例

 労働者に業務遂行上の注意義務違反はあるものの重大な過失までは認められないケースでは、使用者によるリスク管理の不十分さ等の事情を考慮して労働者に対する賠償請求や求償請求を認めていません。また、重大な過失が認められるケースにおいても、寛大な心で許すべき事情や会社側の非を考慮すべきと判断された場合は、責任を4分の1や2分の1に軽減しているものがあります。

法、根拠等

  民法第1条第2項 信義則(基本原則)

  同法第415条 (債務不履行による損害賠償)(2020年4月1日から改正施行)

  同法第416条 (損害賠償の範囲)(2020年4月1日から一部改正施行)

  同法第709条 (不法行為による損害賠償)

  同法第715条第1項 使用者の損害賠償責任、第3項 使用者の求償権(使用者等の責任)

  判例
  大隈鉄工所事件 名古屋地裁判決(昭和62年7月27日)  損害の4分の1認容
  M運輸事件 福岡高裁那覇支部判決(平成13年12月6日) 求償請求棄却

【平成24年1月当初掲載(平成28年3月、平成31年4月更新)】

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