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「小塩ほたるの里 田植え体験と生きもの観察」を開催しました!
令和元年6月2日(日曜日) 「小塩ほたるの里 田植え体験と生きもの観察」を開催しました。
「生物多様性保全上重要な里地里山」に選定されたうきは市小塩地区
うきは市小塩地区は、市東南部に位置する大分県との県境にあります。南部には屏風を広げるように東西に連なる耳納連山、北部には雄大に流れる筑後川など豊かな自然環境に恵まれた土地です。
ここは農業が盛んな山間地区で、水稲を基幹作物として、柿、桃、梨などを栽培していると共に、5月下旬にはホタルが舞い、昔から「ほたるの里」と呼ばれている集落であるため、 平成27年12月、さまざまな命を育む里地里山を次世代に残していくべき自然環境の一つと位置付けされた「生物多様性保全上重要な里地里山(略称「重要里地里山」)」として、環境省から選定されました。
田植え体験と生きもの観察
開催日時:令和元年6月2日(日曜日) 10時00分から13時00分
開催場所:小塩ホタルの里広場周辺
参加者数:43名(大人21名、子ども22名)
講師:福岡県保健環境研究所 環境生物課 研究員
※北筑後地域環境協議会主催の「生きもの観察」とうきは市主催の「小塩ふるさと体験(田植え)」のコラボ企画です。
【田植え体験と田んぼの生きもの観察】
小塩ホタルの里広場から歩いて3分の田んぼへ移動し、小塩地区自治協議会の指導のもと、田植えに挑戦しました。手植えのやり方や注意事項の説明後、田んぼに入り、横1列に並びました。田んぼに張られた糸に沿って苗を植えていきました。みんなで1列目を植え終わったら2列目に移るという作業を繰り返します。最初はぎこちなかったけれど、だんだん上手に植えることができました。
講師と子どもたちで、田んぼやその周辺で生きもの観察をしました。見つけた生きものは、ツチカエル、オタマジャクシ、ヌマガエル、アカハライモリ、ゲンジボタル、ヤマカガシなどです。
【水辺の生きもの観察(小塩川)】
ホタルの里広場を囲むように小塩川が流れていて、広場のすぐ下に目的のフィールドがあります。
採れた生きものをバットに移して分類し、「観察シート」を使って、水生昆虫や魚の名前を調べました。
講師から水生昆虫やカエル、魚の特徴や生態、外来種や希少種の説明とともに、生きものが住みやすい環境と保全についてお話がありました。水に生息する昆虫の種類を調べることにより、水のきれいさを判断することが出来ます。小塩川の結果は、「きれいな水」でした。生きものの観察が終わったあと、川に戻してあげました。
※外来種は確認できませんでした。
参加者の声
- 初めての体験で、泥の感触、米を作る大変さを学べた。
- 糸引きをしながらの田植えは初めてだったのでよかった。リズムを合わせるのが難しい。
- 田んぼに素足で入った感触など、子供たちにはよい体験になったと思う。
- 田植えの泥にはまるのが面白かった。生きものがたくさん捕まえられたからよかった。
- 川には、いろいろな生きものがいたことに気づいた。
- 見たことがない生きものが見れたり、大きい魚が見れたりしたので楽しかった。
- 田植えの土がドロドロだった。魚のプロがいたのがよかった。
- 川のきれいさを評価する方法を学べた。
また、「今後、生きものが暮らしやすい環境を守るため、環境にやさしい行動をとりたいと思うか。」の問いに対し、回答者全員が「とても思う」または「思う」と答えています。
体験を終えて
朝、小雨が降っていたため、予定時間を短縮しての開催となりました。イベント開催中、心配していた雨に降られることなく、楽しく活動を終えることができました。
今回の活動を通し、農業体験と田んぼやその周辺、小塩川の生きものを探して観察することで、小塩の自然の豊かさを知っていただける良い機会になりました。小塩地区は、ホタルの保全に地区をあげて取り組んでいます。ちょうど、ホタルの時期でしたので草むらを探すとホタルがいました。毎年、6月初旬は「小塩ホタル祭り」が開催されています。
田植え体験では、「楽しかった。」、「いい体験になった。」、「面白かった。」という感想をいただきました。また、子どもたちが田んぼにすむ生きものを見つけ、親子で楽しそうに話している姿が印象的でした。田んぼはお米を作ることにとどまらず、多くの生きものの絶好の餌場やすみかになります。
小塩川での生きもの観察では、きれいな水でしか生きられないサワガニ、ヒゲナガカワトビケラを見ることができ、川の水は「きれいな水」という判定結果でした。普段、注意して見ることが少ない生きものに、大人も子どもも興味津々だったようです。また、外来種が一匹も確認されなかったことから、昔ながらの自然が守られているといえます。
福岡県では、小塩地区のように豊かな自然が保たれている地域がまだまだたくさんあります。地域の環境を保全し、近年、絶滅に瀕している生きものが少しでも多く残る環境を保つよう努力していきたいものです。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。