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令和5年度 北九州普及指導センター活動情報
当普及センターの現地情報を記事にして、随時掲載しております。
No.1 「高倉びわ」が出荷ピーク
露地びわ出荷目合わせ会を開催
令和5年5月31日、JA北九びわ部会は、岡垣町の吉木集荷場において、露地びわの出荷目合わせ会を開催しました。
びわ部会では、3月下旬から3名の生産者でハウスびわを出荷してきましたが、これから33名の部会員が露地びわの出荷を開始し、「高倉びわ」の出荷がピークを迎えます。
岡垣町のびわは100年以上前から生産され、県内一のびわ産地となっており、JA北九「高倉びわ」のブランドで広く知られています。
目合わせ会では、露地びわの出荷が本格化する前に、びわ部会員がパック詰めの規格や果実外観などの出荷基準について、選別された出荷物を見ながらの確認を行いました。
今年度産のびわは、1月下旬の寒波により、早生品種を中心に凍害被害が発生しており、昨年よりも出荷量は減る見込みですが、その後の栽培努力により、糖度が高く、食味の濃い果実に仕上がっています。
今年度は福岡県内を中心に11.3tを出荷する計画です。
今後も、普及指導センターは、「高倉びわ」の高品質・安定生産および産地の維持・発展のために関係機関と連携して支援を行っていきます。
No.1 「高倉びわ」が出荷ピーク [PDFファイル/290KB]
No.2 赤しその出荷が本格化
遠賀地域特産の初夏の風物詩!
6月9日、岡垣町のJA北九糠塚集出荷場において、赤しそ部会(部会員7名、栽培面積2.6ha)の出荷目合わせ会が開催されました。赤しそは昔から遠賀地域で作られており、ほ場が色鮮やかな赤で染まる様子は、初夏の風物詩となっています。
今作については、一部ほ場で害虫の発生、強風による葉の破れ等がありましたが、定植以降、定期的に降雨があったこと、害虫の早期防除ができたことから、生育は比較的良好でした。5月29日から出荷が始まり、今後6月中旬に出荷のピークを迎えます。
普及指導センターからは、今後の気温上昇に伴い、害虫の発生が急増する可能性があるため、早期発見・早期防除を徹底すること、また、出荷時期が限定される品目なので、晴天が続くようなら灌水を行う等の乾燥による生育遅延対策について説明を行いました。
今後も、普及指導センターは関係機関と連携して、赤しその高品質・安定生産に向けた栽培技術の向上を支援していきます。
No.3 若松ブランドスイカの出荷が最盛期
若松クイーンと若松潮風®プレミアム
6月9日から若松の小玉スイカ「若松クイーン」、7月10日から大玉スイカ「若松潮風®プレミアム」の出荷が始まりました。また、黄色の小玉「若松クイーンゴールド」、黄色の大玉「若松潮風®プレミアムアムール」も順次出荷を開始しています。スイカは、JA北九そさい部会小玉スイカ班4名、大玉スイカ班3名で生産しており、濃厚な甘さとシャリ感が特徴のスイカを匠の技で1玉1玉手間暇をかけて栽培しています。
今年度は大雨の影響で品質への影響が懸念されましたが、シーズンを通して糖度12度以上の甘味のあるスイカが出荷されています。
普及指導センターからは、生育状況や病害虫対策について、個別巡回等を通じて説明を行っています。特に今年度は降雨の影響で病害が多い状況のため、農薬散布など対策を周知徹底しています。
今後も、普及指導センターは関係機関と連携して、若松のブランドスイカの高品質・安定生産に向けた栽培技術の向上を支援していきます。
No.4 パイナップルリリーの切り花産地を目指して
北九州市総合農事センターで開花中
北九州普及指導センターでは、北九州市総合農事センター及びJA北九花き部会切り花班と協力して、産地の新たな特徴となる品目の試験栽培に取り組んでいます。
ここ数年は、南半球原産のパイナップルリリー※の切り花栽培に取り組んでおり、北九州市総合農事センター内に設置した試験ほ場では、7月上旬から開花が始まりました。
これまでの試験栽培で、パイナップルリリーは肥料や農薬をほとんど必要としない丈夫な植物で、満開後も花持ちが非常に良いということがわかってきました。手のかからない補完品目で、盛夏の切り花として期待されており、少しずつですが生産も増えています。
普及指導センターは、今後とも、切り花産地の振興に向けて、関係機関や生産者と共に取り組んでいきます。
※花がパイナップルに似ていることが名前の由来です。ユーコミスと呼ばれることもあります。
No.5 消費税インボイス制度の仕組みを知ろう
さんさんクラブ北九州総会及び研修会開催
さんさんクラブ北九州(北九州地域農業士・女性農村アドバイザー連絡協議会)の総会と研修会が、令和5年7月4日(火)に開催されました。会員24名出席の中、令和4年度活動実績及び令和5年度活動計画について議事検討し、全て承認されました。本年度からは、役員も交代し、新たな体制で活動していきます。
総会後は、JA福岡中央会担い手サポートセンターアドバイザー税理士の三好荘一郎先生を講師に、「消費税インボイス制度の仕組み」について研修会が開催されました。制度が始まるにあたって必要な準備について、消費税の申告区分と取引区分に応じた対応や特例等について説明して頂きました。会員からは、直売所の取り扱い等について質問が出されました。
今後も、普及指導センターは、さんさんクラブ北九州の活動支援を行っていきます。
No.6 営農基礎講座を開催
農薬適正使用や土壌肥料について学ぶ
普及指導センターでは、主に、新規就農者や就農希望者の方を対象に、営農基礎講座を開催しており、毎年、農薬の適正使用、土壌肥料、経営管理等について、座学及び現地視察を行っています。
今年度は、8月1日に「農薬の選び方・考え方」、8月8日に「土づくり・肥料について」をテーマに開催し、新規就農者や就農希望者6名が参加しました。講師は参加者と同世代の若手普及指導員が務め、農薬の適正かつ効果的な使用方法、土づくりの有用性や肥料の効果について講義した後、情報交換を行いました。
情報交換では、地域も品目も異なる参加者同士で自己紹介したほか、日頃の農作業で、農薬や肥料をどう選び、使用しているかなどを互いに発表し、新規就農者同士のネットワークづくりの第一歩となりました。
普及指導センターでは、今後も、新規就農者の経営確立に向けた支援を継続していきます。
No.7 若手生産者がブランド強化に取組中!
「小倉大葉しゅんぎく」の消費拡大を目指して
令和5年8月24日、JA北九大葉春菊出荷組合は、第3回大葉春菊若手会を開催しました。
大葉春菊は古くから小倉南区で栽培されている地域の伝統野菜で、「小倉大葉しゅんぎく」として販売されています。切れ込みのない丸い葉や、サラダなどの生食としても食べられるまろやかな風味が特徴です。
令和4年度から、出荷組合では「小倉大葉しゅんぎく」のブランド強化のため、地域プロデュースコンサルタントと協力してPRポイントの検討を行ってきました。普及指導センターは、他産地のブランド戦略の情報提供などを通じて活動を支援しています。
今年度からは若手生産者が主体となり、ブランドデザインやレシピ考案に取り組み、消費者に大葉春菊の魅力を知ってもらうため、積極的にアイデアを出し合っています。
今後も、普及指導センターは関係機関と連携し、「小倉大葉しゅんぎく」の認知度向上・生産拡大に向けた支援に取り組んでいきます。
No.8 大分県の白ネギ先進地を視察
八幡白ネギの高品質・安定生産を目指して
令和5年8月24日、JA 北九八幡イオン出荷協議会の白ネギ生産者3名は、大分県玖珠郡九重町の白ネギの視察を行いました。本協議会は白ネギ生産の振興に力を入れており、今回の視察は先進地の栽培管理状況の把握を目的として実施しました。
生産者は視察を通して、施肥や根腐れ対策といった栽培技術や、効率的な調製方法について、九重町の生産者と意見を交わしました。生産者は、視察で得た情報を今後の栽培管理に活かそうと意欲的な姿勢でした。現在はシロネギ需要の高まる冬の鍋物シーズンの出荷に向けて、適期栽培管理に努めています。
今後も、普及指導センターは関係機関と連携し、八幡地域の白ネギの安定生産に向けた栽培技術の向上を支援していきます。
No.9 高品質種子の更なる安定生産を目指して
採種部会員を対象に麦の栽培講習会を実施
11月1日にJA北九採種部会(部会員数5名)を対象に令和6年産麦の栽培講習会を開催しました。
採種部会では近年、親から子への世代交代が進んでおり、講習会では、大麦「はるか二条」の土づくりや播種適期、麦踏みを含む中間管理作業など、普及指導センターの職員が実施目的を含めて詳しく説明しました。
参加者からは、麦の最適な播種深度や土壌処理除草剤の効果・薬害、「はるか二条」の裂皮対策など、多くの質問があがるとともに、部会員間での意見交換が活発に行われました。
普及指導センターは、今後も高品質な種子の更なる安定生産を目指して、採種部会の支援を行っていきます。
No.10 冬季も北九州市内産の花きが出荷されています
シクラメン及び花苗の出荷
北九州市内では鉢物、花苗、切り花の多種多様な花きが生産されています。
JA北九花き部会の鉢物班は、10月から12月にかけてシクラメンを出荷しています。10~11月を中心に出荷される5号鉢、クリスマス前をピークに出荷される6号鉢のほか、3寸ポットサイズのガーデンシクラメンも出荷されており、様々な形態でシクラメンを消費者に届けています。シクラメンは、非常に丈夫で長持ちする花であり、鉢物は室内を、ガーデンシクラメンは主に屋外を、春にかけて美しく彩ります。
また、苗物班では、年に4回、響灘緑地(グリーンパーク)に花苗を出荷しており、12月5日に本年度3回目の出荷を行いました。しっかりした苗を育てたため、寒さが厳しい季節ですが、パンジーやストック等が成長を続け、来園者を楽しませる美しい花壇が広がります。
普及指導センターは、シクラメンや花苗の安定生産に向けて、定期的な生育診断や巡回指導を行っています。今後とも、花き産地の振興に向けて、関係機関と共に生産者を支援していきます。
No.11 女性農業者対象の研修会を開催
女性リーダーの講演とフルーツカッティング
普及指導センターでは、毎年、女性農村アドバイザー・OBを対象とした研修会を開催していますが、今年度から就農5年未満の女性農業者も対象に加え、現地視察や研修会を行っています。
令和5年12月5日に、北九州地区農村女性グループ連絡研究会との共催で、女性農村アドバイザーOBで現在は指導農業士・野菜ソムリエプロとして活躍されている貝田輝子氏(筑後市)を講師に迎え研修会を開催しました。
研修では、「年中夢求!はじまりは女性農村アドバイザー」と題し、貝田氏が女性農業者のリーダーとして活躍するきっかけが女性農村アドバイザー活動だったことや、野菜ソムリエになったいきさつなどを講演いただくとともに、農産物の魅力的な見せ方を学ぶために、フルーツカッティングの実習を行いました。
参加者は、貝田氏の多彩な経験談に刺激を受けるとともに、実習に取り組みながら、世代を超えて情報交換を行いました。
普及指導センターでは、今後も、意欲ある女性農業者が活躍するためのネットワークづくりを支援していきます。
No.12 小倉牛の出荷頭数増加に向けた取り組み
新たな出荷者が誕生しました
普及指導センターは、出荷者、北九州市及び農協等と連携して、小倉牛の希少なブランド牛としてのPR、市内での消費拡大に取り組んでいます。
小倉牛は、北九州市内で16ヶ月以上飼養された26ヶ月齢以上の黒毛和牛で、肉質等級4以上またはBMS5以上等の基準をクリアした牛のみが認定されます。
平成21年は出荷者7名が140頭出荷しましたが、令和4年は出荷者 4名が47頭出荷となり、生産規模が縮小していました。
しかし、関係機関との継続的な取り組みにより、小倉牛は地域に根付いたブランドとして高価格で取引されることから、新しく小倉牛出荷に取り組む出荷者が誕生し、次年度は70頭近くの出荷を見込んでいます。
今後も出荷者及び関係機関と連携し、小倉牛のブランド維持と出荷頭数増加に取り組んでいきます。
No.13 営農基礎講座を開催
土づくりや先輩農家の経営について学ぶ
普及指導センターでは、主に、新規就農者や就農希望者の方を対象に、営農基礎講座として、毎年、農薬の適正使用、土壌肥料、経営管理等について研修を行っています。
令和6年1月17日に、現地研修として、堆肥製造見学と先輩農家のほ場見学を実施し、新規就農者や就農希望者6名が参加しました。
はじめに、畜産農家の堆肥舎を訪問し、発酵の状況を見学しました。また、土づくり時の堆肥の効果や投入量について普及指導員から説明しました。参加者は、実際に牛ふん堆肥を触って発酵の状況を確認したり、堆肥投入で感じた効果について意見交換しました。
先輩農家のほ場見学では、水稲や露地野菜を主に栽培する農家を訪問し、新規就農した経緯や現在作付けしている品目、今後拡大したい品目について、説明がありました。参加者は、先輩農家に対して品目導入時の考え方について質問していました。
普及指導センターでは、今後も、新規就農者の経営確立に向けた支援を継続していきます。
No.14 高品質な採種麦の生産技術継承に向けて
採種部会員を対象に互評会を実施
1月17日にJA北九採種部会(部会員数5名)を対象に令和6年産麦の現地互評会を開催しました。
採種部会では近年、親から子への世代交代が進んでおり、高品質な種子生産の技術継承に取り組まれています。互評会では、生産者毎にほ場を巡回し、生育の様子や、中間管理作業の状況を確認しました。
ベテランの生産者から、播種や麦踏みについての細やかなアドバイスがなされるなど、生産者間での熱心な意見交換が行われました。普及指導センターからは、今後の管理ポイントや雑草防除の徹底を呼びかけました。
普及指導センターは、関係機関と連携し、今後も採種部会の高品質・安定生産に向けた支援を行っていきます。
No.15 県青年農業士会相互情報交換会を岡垣町で開催
異業種交流と鳥獣害対策について学ぶ
北九州地域の青年農業士で組織する、県青年農業士会八幡支会は、令和6年1月19日に福岡支会及び行橋支会と合同で相互情報交換会を開催し、青年農業士12名と関係職員8名が参加しました。
当日は、岡垣町において、イチゴほ場や地場産原料を使うワイナリーやビール工房を視察し、農福連携の取り組み状況や異業種目線での農業の魅力などについて意見交換を行いました。視察後、猟師が経営するジビエ料理屋にて、県内のイノシシやシカの生息状況、狩猟現場やジビエ加工について、実際に料理を食しながら、説明を受けました。
今回の情報交換会では、ワインやビールの製造など6次産業化による地域活性化の可能性、狩猟やジビエを通した鳥獣被害の防止について活発に意見交換を行い、懇親を深めることができました。
今後も、普及指導センターは、若手農業者のリーダーである青年農業士の活動を支援していきます。
No.16 直売所栽培講習会を開催
高品質な春夏野菜の生産に向けて
2月22日、JA北九主催による直売所栽培講習会がJA北九本店で開催され、かっぱの里八幡店出荷者16名が参加しました。
普及指導センターから、近年の気象の特徴と、高温や豪雨に対応した春夏野菜の栽培のポイント、農薬の安全使用等について講義を行った後、参加者の質問に答える形で講習会を進めました。
参加者からは、春夏野菜の栽培に関する質問のほか、現在栽培中の冬野菜についての質問もあり、良い農産物を作り、消費者に届けたい、という強い思いが伺えました。
当講習会は、JA北九管内の他の直売所出荷者向けにも、随時行われる予定です。普及指導センターでは、今後も関係機関と連携し、消費者ニーズに対応した高品質な農産物の生産や地産地消の推進に取り組んでいきます。