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令和4年度 京築普及指導センター 活動情報
当普及センターの現地活動を記事にして、随時掲載しています。
活動情報一覧
No.8 農事組合法人 上久保営農組合が第50回(令和3年度)全国豆類経営改善共励会で農林水産省農産局長賞を受賞
No.16 京築大規模土地利用型農業研究会の研修会が開催されました
No.23 京築地区青年・女性農業者等意見及び実績発表大会を開催
No.27 上毛町の荒牧氏が令和4年度福岡県麦作共励会で優秀賞を受賞
No.28 みやこ町の農事組合法人 上久保営農組合が第50回(令和3年度)全国豆類経営改善共励会の受賞講演
No.30 京築大規模土地利用型農業研究会が秋田県の先進地を視察
No.7 ハウスいちじく「蓬莱柿」出荷が本格化
いちじく秋果査定会を開催
令和4年6月8日、築上郡築上町のJA福岡京築西部集荷場において、ハウスいちじく秋果査定会が開催されました。
4月中旬からハウスいちじくの夏果(前年の枝に着果する果実)が出荷されていましたが、6月以降、秋果(今年の枝に着果する果実)に切り替わり出荷が本格化する前に、実際の出荷物を見ながら、出荷規格の順守、選果選別の徹底について申し合わせを行いました。
JA福岡京築管内でのハウスいちじくは、生産者6名で生産量が12トンとなっており、主に北九州、京築地域や山口県で販売されています。今年は、重油価格高騰の影響で加温開始日が前年から2から12日程度遅く、初期生育が遅くなったものの、その後は病害虫被害も少なく、糖度が高く良食味の果実となっています。
また、研究会では、令和3年度から燃油価格高騰対策事業にも取り組んでおり、普及指導センターでも燃油使用量のさらなる節減と、高品質果実生産に向けた巡回講習会等、関係機関と連携して積極的な支援を継続していきます。
No.8 農事組合法人 上久保営農組合が第50回(令和3年度)全国豆類経営改善共励会で農林水産省農産局長賞を受賞
第 50 回(令和3年度)全国豆類経営改善共励会 大豆集団の部において、みやこ町の農事組合法人 上久保営農組合が農林水産省農産局長賞を受賞されました。
農事組合法人 上久保営農組合はみやこ町で長年にわたって麦・大豆の栽培に取り組んでおり、令和3年産大豆の栽培面積は13.8ヘクタールで、8月の大雨や9月中旬以降の乾燥等の悪条件の中で10アールあたりの収量は150キロ以上となり、JA平均単収の2倍以上を達成しました。
本暗きょがない条件不利なほ場で、適期播種と表面排水による排水対策を徹底して収量・品質の向上に取り組んでおり、地域でもいち早く部分浅耕一工程播種技術を取り入れ適期播種を行っています。また、作業に当たっては、栽培品目ごとにリーダーをおいて、リーダーを中心に作業計画を立て、適切な人員配置を行い、適期作業を可能としています。
運営面では、地域内で耕作放棄地が発生しないよう農地の受け皿としての役割を果たしているほか、農業者以外にも声をかけて将来のオペレーター候補の発掘と育成を行い、世代交代を図りながら組織を運営していること等も高く評価されました。
普及指導センターでは、今後も組織の育成と大豆の収量・品質の向上に向けた支援を行います。
No.8 農事組合法人 上久保営農組合が第50回(令和3年度)全国豆類経営改善共励会で農林水産省農産局長賞を受賞 [PDFファイル/133KB]
No.9 大豆の播種前講習会を開催
大豆の収量・品質向上に向けて
6月16日にJA福岡京築で大豆栽培講習会が開催され、約40名の生産者が参加しました。
JA福岡京築管内では大豆が約800ヘクタール栽培され、県内でも有数の面積があります。近年は播種時期にあたる7月の豪雨等の気象災害もあり、収量が低い状況が続いていますが、実需者からは国産大豆の需要が高く、収量と品質の向上が求められています。
講習会では、JA福岡京築から令和3年産大豆の実績、JA全農ふくれんから大豆の情勢、普及指導センターからは大豆の栽培のポイントについてそれぞれ説明しました。生産者は真剣な面持ちで講習を受けており、講習会後には大豆の収量についての質問が出ていました。
特に、管内は集落営農組織が大豆栽培を担っており、1組織当たりの栽培面積は大きく作業が長期間にわたるので、作業計画を立てること、部分浅耕一工程播種技術の普及を進めて適期播種を推進していきます。また、雑草害も大きな問題となっているため、今年度は雑草対策展示ほを設けて対策に取り組みます。
普及指導センターでは、大豆の増収による生産者の経営安定に向けた支援を行っていきます。
No.10 苅田小学校で小学生が大豆について学ぶ
次世代へ農業に関心をもってもらうために
令和4年6月15日、苅田町立苅田小学校の3年生約100名に大豆についての授業を行いました。
授業では、福岡県の大豆生産量、大豆から作られる食べ物、大豆の育て方や大豆栽培で使用する機械(トラクター)等について説明をしました。クイズ形式で行った説明については生徒の関心も高く、解答に一喜一憂する姿がみられました。また、実際に大豆や小豆、黒豆を見て豆類に関する関心を深めました。
生徒からは県内の主要な大豆品種「フクユタカ」に関して、名前の由来や他品種との違いについての疑問が出ていました。苅田小学校では今年度、校内で「フクユタカ」の栽培を行う予定です。
普及指導センターは今後も次世代への農業教育に取り組み、地域農業の発展を支援していきます。
No.11 築上町農福連携情報交換会が開催されました
農業・福祉の相互理解を深める
令和4年6月23日、築上町において、築上町役場・JA福岡京築・農業共済組合・普及指導センターで組織されている農業振興連絡協議会の主催で、町内の3つの障がい者福祉施設を招き、農福連携に係る情報交換会が初めて開催されました。
この情報交換会は、築上町の農業者側と福祉施設側が意見交換を行うことで、両者の農福連携の取組みに対する理解を深めることを目的として開催したものです。
農業者側から築上町で作付けが多い品目の紹介を行い、福祉施設側からは施設の紹介や今までの農作業への取組みについて説明がありました。普及指導センターからは管内外における農福連携の事例紹介を行い、マニュアル作成による作業の理解度の向上に向けた支援を行ってきたことを紹介しました。
築上町産業課からは、「お互いの立場の違いや目指すものの違いをよく認識したうえで、共通の意識を持った活動が出来るようにしていきたい。」と総括があり、今後の連携支援に向けた意識が高まりました。
普及指導センターは今後も農福連携支援に取り組み、地域農業の発展を目指していきます。
No.12 イチゴの栽培研修会を開催
単収向上を目指して
京築管内では、イチゴの反収向上を目標にICT技術の普及を推進しています。そこで、JA福岡京築いちご部会(65戸)を対象に6月15日、17日にイチゴの栽培研修会を開催しました。
研修会では、昨年度の花芽分化状況をふまえて、今年度の花芽分化対策や目指すべき株の草勢について説明しました。また、環境測定機器によるデータから、高収量者と平均収量者のハウス内環境の違いを説明し、高収量者の管理に近づけるための栽培管理を示しました。さらに、JAからは、ICT機器購入における支援策の説明や機器の紹介を行いました。
参加者からは、高収量者のハウス管理に近づける方法やICT機器の活用等について多くの質問が出されました。また、昨年度の気象条件を踏まえながら株の生育状況について共有したことで、活発な意見交換が行われ、今年度のイチゴ栽培に対する意欲も感じとれ、有意義な研修会となりました。
普及指導センターは引き続き、関係機関と協力し、さらなる高収量・高品質のイチゴ生産に向けた支援とともに、次代を担う新規就農者の育成、ICT技術の普及推進を行っていきます。
No.13 夏秋ナスの現地栽培管理講習会を開催!
良好な株づくりで高収量・高品質を目指して
近年、JA福岡京築夏秋なす部会には、毎年新規の生産者が加入しています。新規就農者は実際の株を見て栽培管理を学ぶ機会がなく、適切な草勢判断方法や良好な株の姿がわからないという声がありました。
そこで、JA福岡京築と連携し、6月22、27、28日に管内3ヶ所の高収量生産者のほ場において現地栽培管理講習会を開催したところ、生産者25名の参加がありました。
講習会では、管内のナスの生育状況、草勢判断方法および病害虫発生状況と対策について説明し、参加者が株を見ながら意見交換を行いました。
また、高収量生産者から普段の栽培管理において気をつけていること、工夫していることについて説明がありました。
参加者からは、ほ場管理や今後の病害虫防除等について多くの質問が出され、今後のナス栽培に対する意欲が感じとれました。
普及指導センターでは、今後も関係機関と協力し、さらなる高収量・高品質の夏秋ナス生産の栽培支援や次代を担う新規就農者の育成を行っていきます。
No.13 夏秋ナスの現地栽培管理講習会を開催! [PDFファイル/233KB]
No.14 営農基礎講座を開催
新規就農者の経営確立を支援
7月20日(水曜日)、7月29日(金曜日)の2日間、京築普及指導センターは新規就農者の早期の経営確立を目的とした営農基礎講座を開催し、延べ12名の就農3年未満の新規就農者が参加しました。
講座の内容は以下のとおりで、講師は普及指導員が務めました。
1「土づくり・肥料について」
土づくりや肥料、排水対策に関する説明、各農家の土のpH・ECの測定及び解説
2「病害虫防除対策」
主要な病害虫について、殺虫剤・殺菌剤の種類と散布時の注意点について
3「野菜の栽培基礎」
野菜の品目選定と栽培計画について、知っておくと失敗が減る植物生理について
参加者は熱心に講義に耳を傾け、自身の経営に関連することについて、積極的に質問をしていました。参加者からは「内容が分かりやすく、今後の経営に役立つ内容だった」といった声がありました。
京築普及指導センターでは、今後も新規就農者の早期の経営確立に向け、生産技術や経営管理に関する研修会を開催していきます。
No.15 福岡県新規就農・就業相談会in京築を開催!
新規就農・就業者の確保に向けて
京築地区の市町、JA等で構成する京築地域農業・農村活性化協議会は、8月6日に、行橋市商工会議所にて福岡県新規就農・就業相談会in京築を開催しました。例年京築地区の新規就農・就業者の確保を目的として開催していますが、昨年は新型コロナウイルスの影響で中止だったため、2年ぶりの開催となりました。
当日は高校生から50代までの就農・就業希望者12名が参加しました。各市町、JA福岡京築新田原果樹サポート部、農業大学校、後継人材育成室及び福岡県農業振興推進機構のブースを設け、参加者にそれぞれ興味があるブースを3か所程度案内しました。各ブースは、地域の就農支援制度の説明や、就農・就業相談を行いました。
参加者から、「一度にいろんな機関の話を聞くことができてよかった」、「就農に向けて具体的に何を行ったらよいのか考えることができた」といった声がありました。
京築普及指導センターでは、今後も関係機関と協力し、新規就農者の確保・育成を図っていきます。
No.15 福岡県新規就農・就業相談会in京築を開催! [PDFファイル/239KB]
No.16 京築大規模土地利用型農業研究会の研修会が開催されました
米・麦の情勢を学び経営に役立てよう
令和4年8月23日、新型コロナウイルス感染防止対策を十分にとったうえで「京築大規模土地利用型農業研究会」の研修会が開催され、会員や関係機関等約20名が出席しました。
研修会では、米・麦の情勢をテーマに全国農業協同組合連合会を講師に迎え、説明を受けました。米については、全国の作況や主食用米の需要動向、今後の需給の見通し等、麦については、民間流通麦のミスマッチの状況や地域ごとの単収・品質の状況などについて細かい説明がありました。会員からは、米の情勢が厳しい中、消費拡大の取組みや主食用以外の米の活用の取り組みについて意見が出され、また、麦については、ミスマッチの状況について質問をするなど活発な議論となりました。
普及指導センターは、今後も本研究会の計画に基づき、会員の自己研鑽を図る機会を設け、農業者の経営支援を行ってきます。
No.17 「子実用とうもろこし」に手ごたえあり!
家畜の飼料の主原料であるとうもろこしはほぼ輸入に頼っています。世界情勢の急激な変化により輸入とうもろこし価格は今までにないほど高騰しており、畜産経営に与える悪影響は甚大です。そこで、新たな水田転作作物として栄養価の高い子実のみを収穫する子実用とうもろこしが注目されています。
子実用とうもろこし栽培は機械投資が大きい反面、他作物と比べ労力が圧倒的に少なく、労働生産性が高いことが特徴です。このため担い手への農地集積が進む中、効率的な農地利用を可能とする作目として期待できます。
今年、管内で飼料コスト低減と資源循環型畜産経営を目指して、子実用とうもろこしの試行栽培が行われました。普及指導センターでは栽培方法の支援や、収量性、労働時間およびコスト調査を行いました。4月上旬の播種から8月中下旬の収穫までの間、生育は良好で、坪刈収量は10アール当たり1トンを超え、今後の面積拡大へ手ごたえを感じられました。一方、排水性が十分ではないほ場では、収量は大きく減少することも確認されました。
普及指導センターでは、今回調査したデータを基に、子実用とうもろこしの生産拡大に向けた課題や方向性等を整理し、地域密着で安定的な畜産経営への支援を進めていきます。
No.17 「子実用とうもろこし」に手ごたえあり! [PDFファイル/241KB]
No.18 築上町白ネギ調製作業実演会が開催されました
関係機関と連携して進める農福連携
令和4年10月6日、築上町において、築上町役場・JA福岡京築・農業共済組合・普及指導センターで組織されている農業振興連絡協議会の主催で、町内の3つの障がい者福祉施設を招き、白ネギ調製作業実演会が開催されました。
この実演会は、築上町で推進されている白ネギの調製作業について、福祉施設への委託を検討するもので、農福連携推進の一環として実施したものです。
実演会では、JAと普及指導センターが、実際に白ネギを調製しながら説明を行いました。また、実際に福祉施設の職員に調製作業を体験してもらい、細かい作業上の注意点を説明しました。
実演会後の意見交換では、「作業手順を分解して練習すれば受託は可能と思う」と前向きな意見が多く出され、調製委託体制の構築に向けて取り組みが前進しました。
普及指導センターは今後も農福連携支援に取り組み、地域農業の発展を目指していきます。
No.18 築上町白ネギ調製作業実演会が開催されました [PDFファイル/211KB]
No.19 新田原果樹部会が法人化後の労務管理について学ぶ
社会保険労務士による労働相談を活用
行橋市の新田原地区は古くからいちじく、もも、なし等の高品質果樹産地として知られています。しかし、近年は生産者の高齢化に伴い栽培面積や生産量が減少し、産地の縮小が危惧されています。これまで、産地維持に向けてサポート部を組織し、せん定作業や防除作業の受託を行ってきましたが、今年度は果樹部会サポート部の法人化に向けた取り組みを行っています。
今回、果樹部会員が県で行っている「社会保険労務士による農業の雇用・労働相談」を利用し、法人化した後の社会保険、労務管理および労働基準法の疑問点について専門家にWEB端末を用いてリモートで相談を行いました。部会員からは「法人化後の労務管理について理解できた。」、「法令に沿った運営をできるようにしたい。」といった感想を聞き、専門家に相談することの重要性を認識しました。
普及指導センターでは今後もサポート部の法人化をはじめ、担い手の確保、定着など産地の維持・発展に向けた支援を行っていきます。
No.20 上毛町の4小学校に柿の出張講座
上毛町の特産品を小学生に紹介
上毛町は、江戸時代から400年以上の伝統を誇るカキ産地です。中でも、古くから自生している渋柿の「川底」は、地域の名産品として親しまれています。
10月24日、上毛町立友枝小学校の3年生17名を対象に、川底柿にまつわる授業を行いました。講師は上毛町の柿生産者グループである大平柿研究会生産者と、普及指導センター職員が務めました。
授業の前半は普及指導センターより講義を行いました。福岡県内ではカキなど、多くの種類の果樹が栽培されていること、カキには甘柿と渋柿があり、渋柿は渋抜きが必要であること、上毛町は400年の歴史があるカキの産地であること、「川底」は渋柿であり、4本の溝が入っていることが特徴であること等の説明を行い、小学生たちは熱心に聞き入っていました。
後半は大平柿研究会が用意した渋抜き前と後の柿を試食し、柿の味の違いを体験してもらいました。また、ビニール袋に川底柿とドライアイスを一緒に封入するという渋抜き作業を行いました。4日後には渋が抜け、食べられるようになる予定です。
渋抜き体験教室は今回を含め、上毛町内4小学校で行われます。普及指導センターでは、これからも未来の消費者へのPR活動や地域貢献活動も支援していきます。
No.21 麦類の安定生産に向けて
令和4年度JA福岡京築麦作振興大会を開催
10月18日に、令和4年度JA福岡京築麦作振興大会が行橋市と豊前市の2か所で開催され、約120名の生産者が参加しました。
JA福岡京築管内では、令和4年産で小麦985ヘクタール、大麦898ヘクタール計1,883ヘクタールの麦類が栽培されています。過去4年間は、気象条件にも恵まれ豊作が続いていますが、麦類を取り巻く情勢の変化が大きく、また肥料高騰等の影響で麦作経営も厳しい状況となっています。
大会では、JAから令和4年産麦の実績が報告され、収量、品質及びタンパク質含有率とも良好な結果となりました。その後、JA全農ふくれんから、令和5年産麦は4年産麦の作付面積を基本とし、需給ミスマッチの解消と品質の向上が実需者から求められていること等が報告されました。
普及指導センターからは、高品質麦の安定生産のための栽培ポイントとして、排水対策、ほ場の酸度矯正及びカラスムギ等の難防除雑草対策を中心に説明しました。
また、JAから肥料高騰対策についての説明がありました。生産者からは、「肥料、農薬、燃料の高騰が経営を圧迫しそうで心配だ」との声が上がりました。そのため、国・県の支援策を活用し、麦作経営の安定を図る必要があります。
管内では麦類が経営の主要品目となっている土地利用型の担い手も多く、普及指導センターでは、麦類の収量安定及び品質向上に向けた支援を行っていきます。
No.22 いちごの環境モニタリング研修会を開催
データに基づく栽培管理で生産力向上
京築普及指導センターは、JA京築いちご部会の生産力向上のため、環境モニタリング装置の導入推進を図っています。
そこで、JA福岡京築のいちご部会員の環境モニタリング装置(ファーモ)を導入した生産者(10戸)を対象に、研修会を開催しました。
研修会では、環境モニタリング装置(ファーモ)の設置方法、取得した環境データの見方、他の生産者とのデータの比較方法、光合成を最大限に発揮させる環境条件について説明を行いました。
参加者からは、設置方法、スマートフォンからのデータの確認方法、データがどの範囲を示していれば優良なのか、など多くの質問がありました。また、実機(環境モニタリング装置)を見ながら研修会を進めたことで、操作の理解度を効率良く高めることができたこと、参加者同士の活発な意見交換が行われたことで、有意義な研修会となり、環境モニタリング装置を活用したイチゴ栽培に対する参加者の意欲も感じとれました。
普及指導センターは引き続き、関係機関と協力し、環境モニタリング装置の導入推進による、高収量・高品質のイチゴ生産に向けた支援とともに、次代を担う新規就農者の育成を行っていきます。
No.23 京築地区青年・女性農業者等意見及び実績発表大会を開催
若手農業者がこれまでの歩みや今後の抱負を発表
令和4年度京築地区青年・女性農業者等意見及び実績発表大会を10月31日(月曜日)に築上町コミュニティセンター・ソピアで開催しました。この大会は、新規就農者や4Hクラブ員、女性農業者の資質向上を図ると共に、若手農業者と先輩農業者の交流を深め、地域農業の発展に寄与することを目的として、京築地域農業・農村活性化協議会担い手部会が主催しました。
大会当日は農業者及び関係機関の職員等25名が参加し、まず青年農業者及び女性農業者3名が意見発表を行いました。次に、京都・築上の各4Hクラブの会長が今年度の活動について報告しました。
最後に、担い手部会長及び普及指導センター長から講評があり、発表者5名に激励の言葉が贈られました。
意見発表を行った新規就農者達は、就農に至った経緯や就農した当初の課題、農業を行うことへの喜び、将来の展望、そして自身が農業にかける思いを、会場を訪れた農業者達に熱く語っていました。
普及指導センターは今後も関係機関と連携し、地域農業の担い手確保及び定着支援を図っていきます。
No.24 新田原果樹部会が担い手講習会を開催
各生産者が園地の土壌状態を見直しました
令和4年11月2日に、JA福岡京築仲津アグリセンターにてJA福岡京築新田原果樹部会の担い手講習会が開催されました。講習会には、イチジクやモモ、ナシ、キウイフルーツ等の生産者が参加しました。
新田原果樹部会では果樹栽培の基礎技術習得のため、普及指導センターが講師となり、例年、年3回の担い手講習会を開催しています。生産者の疑問を解明する目的で新規就農者からベテラン生産者まで参加しています。
今年度は肥料高騰が問題となっていることから、適正施肥のため「土壌診断」をテーマとして取り上げ、土壌診断の基礎知識や診断結果の見方等についての理解を深めました。また、講習会の開催前に、各生産者の土壌の簡易分析を行ったことで、それぞれの生産者が自身の園地の土壌状態を見直し、改善対策を考える機会にもつながりました。
講習会終了後、生産者からは「pHが低かったから今年は石灰質資材を施用しよう」、「この品目の土壌状態も知りたいから追加で分析をして欲しい」といった前向きな声が聞かれました。
普及指導センターでは、これからも次代を担う人材の育成とともに果樹産地の底上げを目指し、支援を行っていきます。
No.24 新田原果樹部会が担い手講習会を開催 [PDFファイル/164KB]
No.25 夏秋なす部会生産反省会を開催!
問題点の洗い出しと対策の検討でレベルアップ!
京築普及指導センター管内では夏秋ナスの生産が盛んであり、作付面積は県下一です。夏秋ナスは露地野菜であるため、天候による生育への影響が大きく、毎年異なる生産上の問題点が発生します。このことから、夏秋ナスの安定生産を図るため、栽培終了後に今作の問題点を洗い出し、対策を検討することが重要です。
そこで、JA福岡京築と連携し、11月10日に管内2地区で生産反省会を開催したところ、11名の生産者が参加しました。
普及指導センターから今年度の生産経過について説明した後、生産者とともに生産上の問題の洗い出しと対策の検討を行いました。併せて、ナスの生産性向上に向けて実施した現地試験の結果について報告し、次年度に向けた活用方法の検討を生産者とともに行いました。
また、現地試験実施農家からは、試験を行った技術の現地での活用法について、農家自身が感じた意見が出され、活発な意見交換ができました。
参加者からは、株の中間管理や試験を行った肥料の効き方について質問が出され、次年度のナス栽培に対する意欲が感じとれました。
普及指導センターでは、今後も関係機関と協力し、夏秋ナス生産の安定化に向けた栽培支援や新技術の検討を行っていきます。
No.26 新たな露地園芸品目の導入に向けて
「サラサラごんぼ」の機械化一貫体系の試験開始
管内では、ブロッコリーやレタス等の露地野菜の単価低迷により作付面積が減少していることから、JA福岡京築や全農ふくれんと協力して新たな園芸露地品目の導入推進に取り組んでいます。
今回は、県育成品種「サラサラごんぼ」の機械化一貫体系の試験を築上町で開始しました。
「サラサラごんぼ」は、若掘りゴボウ向け品種で、根は白くて柔らかく、アクが少ないという特徴があるため、福岡県で有名な「ごぼう天うどん」のほか、サラダなどの食材として使われてきました。しかし、生産者の高齢化により、栽培をやめる生産者が増加し、省力・軽作業化に向けた機械化技術の確立が課題となっています。
そこで、畝立て、播種、マルチ被覆までの試験を行いました。作業時間は10アールあたり約4.5時間で完了し、従来の半分程度の省力効果が期待され、規模拡大が可能となります。
次は、収穫工程の機械化試験を進めていく予定です。普及指導センターは引き続き、関係機関と協力し、経営が安定する新たな組み合わせ品目の選定を支援していきます。
No.27 上毛町の荒牧氏が令和4年度福岡県麦作共励会で優秀賞を受賞
令和4年10月28日、福岡市民会館にて令和4年度福岡県麦作共励会表彰式が行われ、上毛町の荒牧弘敏氏が農家の部で優秀賞を受賞されました。
本共励会は、麦の生産振興を図るため、生産技術や経営面に創意工夫を持ち、先進的で他の模範となる経営体を表彰する目的で毎年開催されており、令和4年度共励会にて荒牧氏の取り組みが評価されました。
荒牧氏は、土壌診断に基づく土づくりを行い、適期播種等の基本的な管理作業を徹底することで、毎年高い収量及び品質を達成されています。経営面では、地域の集落営農法人が所有する農業機械を利用しコスト低減を図っています。
また、同法人の役員などを積極的に引き受けるなど、地域農業の重要な担い手として活躍されていることも評価されました。
普及指導センターでは、今後も麦類の安定生産や省力化、農業者の経営改善に向けた支援を行っていきます。
No.28 みやこ町の農事組合法人 上久保営農組合が第50回(令和3年度)全国豆類経営改善共励会の受賞講演
令和4年10月28日、福岡市民会館にて令和4年度福岡の麦・大豆づくり生産者研修会が行われ、みやこ町の農事組合法人 上久保営農組合が講演をされました。本講演は農事組合法人 上久保営農組合が第50回(令和3年度)全国豆類経営改善共励会にて農林水産省農産局長賞受賞をされたことを受け、県内の麦・大豆の生産者が集う研修会にて事例報告を行ったものです。
講演では、全国豆類経営改善共励会で評価された経営改善の取り組みについて、久松代表理事から説明が行われました。
部分浅耕一工程播種を活用した適期播種や表面排水による排水対策を徹底して取り組み、栽培品目ごとにリーダーをおいて、リーダーを中心に作業計画を立て、適切な人員配置を行い、適期作業を可能としています。
また、地域内で耕作放棄地が発生しないよう農地の受け皿としての役割を果たしているほか、農業者以外にも声をかけて将来のオペレーター候補の発掘と育成を行い、世代交代を図りながら組織を運営していること等も報告されました。
普及指導センターでは、今後も大豆の収量・品質の向上に向けた支援を行います。
No.28 みやこ町の農事組合法人 上久保営農組合が第50回(令和3年度)全国豆類経営改善共励会の受賞講演 [PDFファイル/124KB]
No.29 令和4年度農業経営セミナーを開催
働きやすい職場づくりを目指して
京築地域では、経営の安定や事業規模の拡大を行うため、雇用導入を図る農業者が増えており、人材の育成や雇用環境の整備が課題となっています。
そこで、令和4年11月10日に農業経営改善に努めている農業者を対象に、セミナーを開催しました。
従業員が働きやすい環境づくりを実践している有限会社グロウテックの佐野孝之氏を講師として招き、以下のような課題解決に向けた取組を講演して頂きました。
- 人、モノ、金の中で一番はじめにくるのは人と考えている。従業員のおかげで経営が成り立っている。まずは従業員の話を聞く。全員が先のことを考えてより良くなるよう話し合うことで、自分一人で考えるより改善が図られる場合が多い。
- 農業分野だけでなく他業種の取組も積極的に取り入れる。参加した農業者からは、「農業分野だけでなく、他業種に目を向けるという視点はなかった。視野を広げて経営に役立てたい」など意見が出され、有意義なセミナーとなりました。
参加した農業者からは、「農業分野だけでなく、他業種に目を向けるという視点はなかった。視野を広げて経営に役立てたい」など意見が出され、有意義なセミナーとなりました。
普及指導センターでは、今後も雇用に係る人材の育成や雇用環境の整備などの課題に取り組み、農業者の経営改善に向けた支援を行っていきます。
No.30 京築大規模土地利用型農業研究会が秋田県の先進地を視察
この厳しい情勢に打ち勝つために
令和4年10月27日から29日に、京築大規模土地利用型農業研究会が秋田県大潟村で視察研修を行いました。本研究会は、おおむね10ヘクタール以上の経営面積を持つ農家で構成され、自己研鑽や会員同士の親睦、地域農業の発展に寄与することを目的に活動しています。今回は、近年の厳しい農家情勢のなか、会員の経営改善の参考とするため、秋田県のスマート農業の現状を学び、現地の大規模農家と意見交換を行いました。
大潟村では八郎潟干拓化を中心に約9000ヘクタールの農地があり、1筆1.2ヘクタール前後で大区画化されたほ場で、1戸あたり平均経営面積17ヘクタールの効率的な経営が行われています。スマート農業についてはRTK基地局※が建設され、直進アシスト機能付き農業機械の導入が進むなど、先進的な取り組みを実践しています。
会員は視察を通して、合筆による大区画化の利点と課題、機械の長寿命化による経費削減、土壌の肥沃度に応じた施肥法など、経営改善の糸口を掴めたようです。スマート農業についても、導入コストが大きいため、労力軽減、収量向上、指示・管理性向上、技術伝承など目的を組み合わせた導入でなければメリットが薄いといったことが参考となりました。会員同士の親睦も深まり、互いに経営を相談する場面もありました。
普及指導センターでは、これからも地域の担い手の資質向上のため、情勢に応じた支援や会員同士の相互視察支援を行っていきます。
No.31 新規就農者のつどいを開催
新規就農者と先輩農業者のネットワークを新たに構築
令和4年度新規就農者のつどいを11月29日(火)に上毛町で開催し、農業者及び関係機関の職員等26名が参加しました。このつどいは、就農3年目までの新規就農者と農業士や女性農村アドバイザー等の先輩農業者の交流を深め、地域農業の発展に寄与することを目的として、京築地域農業・農村活性化協議会担い手部会が主催しました。まず豊前市の女性農村アドバイザーである松本一恵氏のイチゴの観光農園を視察し、新規就農から今日に至るまでの取組についてご講演いただきました。次に、上毛町の女性農村アドバイザーである大石みゆき氏の柿園を視察し、柿園とフィットネスクラブの経営の両立についてご講演いただきました。最後に、新規就農者が先輩農業者や関係機関の職員に自身の経営や現在の課題について語った後、出席されていた4名の農業士が新規就農者に助言しました。
当日参加した新規就農者は、栽培技術や経営管理及びSNSを活用した販売方法等について、先輩農業者に熱心に質問していました。
普及指導センターは今後も関係機関と連携し、地域農業の担い手の定着促進を図っていきます。
No.31 新規就農者のつどいを開催 [PDFファイル/237KB]
No.32 県北ブロック農業青年技術交換大会を開催!
若手農業者の交流イベント、3年ぶりに開催!
県北ブロック(田川、嘉穂、直鞍、北九州、京築)では、若手農業者の交流と農業経営能力向上のため、県北ブロック技術交換大会を開催しています。今回は、京都地区農業者連絡協議会が主体となって、12月12日(月曜日)に行橋総合庁舎で開催されました。
大会には若手農業者及び関係機関の23名が参加し、農業部門の知識を競う技術競技や、架空の農業経営に取り組み収益額を競う経営シミュレーションゲームを行い、農業経営能力の向上を図りました。
技術競技では、自身の経営方針を決めるために必要な農業や社会情勢に関する知識を競い合いました。同点決勝にもつれ込むなど、白熱した勝負となりました。
経営シミュレーションゲームは本大会が初めてとなる取り組みです。参加者が農業経営に必要な行動をしつつ、農産物の単価上昇等のチャンスや、資材高騰等のピンチに対応するほか、人材育成や設備投資等の経営判断を行い、最も収益を積み重ねた人が優勝というゲームです。ゲームとはいえ、様々な事例への経営判断に頭を悩ませるその姿は農業経営者そのものでした。
今回で26回目となるこのイベントは、コロナ禍による延期もあり、3年ぶりの開催となりましたが、盛況で終えることができました。
普及指導センターは今後も地域の貴重な若手農業者に対し、技術向上および交流活動の支援をしていきます。
No.33 ホオズキのタバコ微斑モザイクウイルスに対する取り組み
ワクチンホオズキの導入に向けた取り組み
京築地域はホオズキの栽培が盛んであり、県内一の作付面積を誇りますが、近年、タバコ微斑モザイクウイルス(以下、TMGMV)等による斑点症状で品質低下が問題となっています。
この対策として、TMGMVの弱毒株(以下、ワクチン)を健全なホオズキに接種し、感染を防ぐ方法が有効とされています。
そこで、令和3年9月に犀川地区および築城・豊前地区において、種から育てたホオズキ苗にワクチンを接種し、ワクチンホオズキを作りました。
令和4年度にこの親株から株分けした株と慣行の株の斑点症状や生育等を比較したところ、ワクチン株は慣行株に比べ、TMGMVに対する防除効果が確認されました。
ワクチンの効果は、今後も維持されることから、11月14日に犀川地区、12月14日に築城・豊前地区の生産者にワクチン株の分配を行いました。1月にも2回目の分配を計画しており、TMGMV斑点症に強いホオズキを広めていく予定です。
今後も普及指導センターでは、関係機関と協力し、ホオズキの産地拡大や高品質生産に向けた支援を行っていきます。
TMGMVワクチンは国立研究開発機構農業・食品産業技術総合研究機構から提供されたものです。
No.33 ホオズキのタバコ微斑モザイクウイルスに対する取り組み [PDFファイル/126KB]
No.34 集落営農組織の人材育成研修会を開催
人材の確保・育成について学ぶ
令和5年1月23日に、築上町コミュニティセンターソピアにおいて、京築地域農業・農村活性化協議会水田農業振興部会の主催による「人材育成に関する研修会」を開催し、集落営農組織の役員など80名が参加しました。研修会では、集落営農組織の育成に精通している一般社団法人日本協同組合連携機構の小林元氏が、営農組織の人材確保・育成についての講演を行いました。
講演では、特に若い世代で地域農業との関わりが希薄となっていることや、人材が多くいるという時代は終わり、人材確保のために積極的な行動をとることが重要となっていることが示されました。このため、若い世代の組合員や女性が参加できる地域の話し合いの場作りをすることが人材の確保につながるといったことなど、優良事例を紹介しながら具体的な手法についての説明がありました。
参加者からは、「説明が分かりやすかった。地域の人材を広く捉えることが重要であることが参考になった。」「人材育成が喫緊の課題であるが、行動を起こすことが難しい。」、「人材育成は大変なことであるが、次世代につなぐには大切なことである。」など様々な意見が出されました。
普及指導センターでは、今後も集落営農組織の人材確保・育成に向けた支援を行っていきます。
No.35 京築大規模土地利用型農業研修会の会員相互視察を開催
身近な農業者の創意工夫について学ぶ
令和5年2月9日、22日に、京築大規模土地利用型農業研究会による「会員相互の視察研修会」が開催されました。本研究会は、おおむね10ヘクタール以上の経営面積を持つ農家で構成され、自己研鑽や情報交換、地域農業の発展に寄与することを目的に活動しています。今回は、会員間で農作業や経営面の工夫から学び、今後の経営発展に活かすべく、会員のほ場、施設の視察を行いました。
研修では、ほ場の畦畔の管理方法、倉庫での作業動線が考えられた機械の整理整頓方法、キャスター付き昇降機等の工夫した事例の紹介、機械の整備を自分で行いコスト低減する経営方針など、現地で見学しなければ得られない情報や考え方について学ぶことができ、お互いに経営改善の参考となったようです。
また、令和3年度全国豆類経営改善共進会で農林水産省農産局長賞を受賞した農事組合法人上久保営農組合の久松代表から、部分浅耕一工程播種を活用した適期播種や排水対策等、大豆の収量・品質の向上に向けた工夫について学びました。会員からは、簡単な機械の修理等、真似できる工夫から実践していきたいといった意見や、大豆の部分浅耕一工程播種についてより詳しく学びたいといった意欲的な意見等が出ました。
普及指導センターでは、これからも地域の担い手の資質向上に向けた支援を行っていきます。
No.36 「株式会社ふるさぽ新田原」設立株主総会開催
今後も産地を守るために
令和5年3月15日、JA福岡京築営農・経済本部別館にて株式会社ふるさぽ新田原の設立株主総会が開催されました。
行橋市の新田原地区は古くからいちじく、もも、なし等の高品質果樹産地として知られていますが、近年は生産者の高齢化に伴い栽培面積や生産量が減少し、産地の縮小が危惧されています。このため、産地維持に向けて果樹サポート部を組織し、高齢者のせん定作業や防除作業を受託してきました。
産地の高齢化により果樹サポート部の活動ニーズが高まる中、部会組織という任意団体では園地の賃借や雇用の導入ができないため、普及指導センターは関係機関と協力してサポート部の法人化に向けた産地での合意形成、専門家との相談会等の支援を行ってきました。この活動が実を結び、「株式会社ふるさぽ新田原」が設立されました。
総会では代表取締役社長より、今後の産地維持及び法人経営に向けての決意が示されました。参加した新田原地域の果樹生産者からは「これからがスタート。前例のない新たな挑戦となるが、頑張ってほしい。」との声が上がるなど、新法人に対する期待が表れていました。
普及指導センターでは、今後も株式会社ふるさぽ新田原の法人経営支援の他、産地の維持・発展に向けた支援を行っていきます。
No.36 「株式会社ふるさぽ新田原」設立株主総会開催 [PDFファイル/168KB]