とんこつラーメンといえば福岡県。北海道に次ぐ全国2位の小麦の作付面積を誇ります。ラー麦の登場以前、県産小麦の多くはうどん用の品種であり、ラーメンに使われる小麦のほとんどは外国産でした。
福岡のラーメンに合う小麦を作りたい、そんな思いから平成16年にラー麦の開発はスタートしました。
「製粉会社の人が麺を試食するのを見ている間が一番緊張した」と当時のことを語るのは、ラー麦開発時に県農業総合試験場(当時)で小麦の品種改良を担当した古庄雅彦(ふるしょう まさひこ)さん。品種改良には通常10年を要する中、古庄さんたちに与えられた期間は5年。大きな挑戦でした。2000もの候補からラーメンに適した小麦を3つまで絞り込むのに3年。製粉会社の協力も得ながら、麺の作りやすさやゆで方、食感などのチェックを重ねた末、平成20年、コシがあって、ゆでのびしにくく、濃厚なとんこつスープにマッチする小麦「ちくしW2号」が誕生。これが日本初のラーメン用小麦となる「ラー麦」です。
収穫量が多いラー麦は、農家からも喜ばれ、作付面積は10年で10倍以上に拡大。ラーメン店の評判も良く、使用店舗は10年で20倍以上の220店舗にまで増加しました。それもこれも「作る人(農家)、買う人(製粉会社)、食べる人(消費者)を見据えた開発だったからこそ。これからも三者に喜ばれる食材として広がってくれたら」と古庄さんは願っています。
ラー麦は今年販売開始10周年を迎えます。記念企画として11月16日(土)、17日(日)に天神中央公園で開催される「福岡県農林水産まつり」ではラー麦関連のブースが多数出展予定です。福岡が誇るラー麦をこの機会にぜひご堪能ください。
問い合わせ: 水田農業振興課
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