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知ってる?福岡県

国から指定を受けた県内7つの伝統的工芸品の一つであり、その技法が重要無形文化財にも指定されている久留米絣。実は、最初に考案したのは13歳の少女だったのをご存じですか?
少女の名は、井上伝(1788−1868)。江戸後期、着物は木綿を藍染めした単調なものがほとんどでしたが、何度も洗ううちに色が落ちて白い斑点が浮かび上がります。伝は、「斑点が柄になっていたら美しいのに」と思い、着物をほどいて研究し、失敗を重ねながら白い模様の入った着物を織り上げ、「加寿利(かすり)」と名付けました。久留米絣はたちまち評判になり、伝は機織りで家計を助ける女性たちに惜しみなくこの技法を紹介し、多くの人々に感謝されました。
時代の変化を受けながらも、200年以上続く伝統的工芸品となった久留米絣を後世に伝えたいと語るのは、久留米絣協同組合の理事長・池田光政(いけだみつまさ)さんです。「最近は若い女性にもんぺの人気が高く、まだまだ可能性を感じています」と語ります。久留米絣の魅力は、夏は涼しく冬は温かく、着るほどに肌になじみ風合いが増すことです。9月は広川かすり祭り、11月は全国の伝統的工芸品が一堂に集まる伝統的工芸品月間国民会議全国大会が福岡県で開催されます。今年は、伝の没後150年。歴史をたどりながら久留米絣の魅力に、ぜひ触れてみてください。

多いときは1000人もの弟子が
いたとされる井上伝

柄もデザインも無限に広がる久留米絣。さまざまなコラボレーションで魅力を発信!

久留米絣を愛し、職人の育成にも力を注ぐ
池田光政さん

久留米絣展示・販売については
地場産くるめ・久留米絣資料館
☎0942‐44‐3700 ファクス0942‐43‐1020
ひろかわ藍彩市場
☎0943‐32‐5555 ファクス0943‐32‐5556