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知ってる?福岡県

那珂川町には、「裂田溝」と呼ばれ、日本書紀にも登場する古代水路があるのをご存じですか?日本書紀の記述によると、神功皇后が造るよう命じたもので、名前の由来は、水路を掘り進める工事が大きな岩に当たって中断した際、神功皇后が竹内宿禰(たけうちのすくね)に命じて「無事に水を通させ給え」と神に祈らせたところ、雷が鳴り響いて岩が裂けて溝ができたことからだといわれています。

この話の真偽は不明ですが、日本書紀の記述から、那珂川の水を引くための一の井出を取水口とする全長約5.5キロメートルの農業用水路が、少なくとも約1300年前に存在していたと考えられています。さらに、14世紀前半のものとされる杭が見つかるなど、土木遺産としての価値も非常に高いことが分かっています。那珂川町教育委員会の佐藤昭則(さとうあきのり)さんは、「那珂川町の皆さんが大切に守ってきた古代水路を、町の宝として受け継いでいきたい」と話します。

現在は、木製の遊歩道が整備され、神功皇后を祭る裂田神社や裂田溝公園を巡る散策コースとしても親しまれています。また、毎年11月第3土曜日には、地域住民や町内の小中学生が作った灯篭(とうろう)に明かりをともすライトアップも行われます。歴史浪漫あふれる「裂田溝」に足を運んでみてはいかがですか?

安徳地区に残る「裂田溝」。
そばには木製の遊歩道が整備されている

平成18年に農林水産省が選定した日本疎水百選にも選ばれた「裂田溝」。遊歩道が整備され、初夏の風を感じるサイクリングにも最適

問い合わせ:那珂川町 地域整備部地域づくり課 観光・まちづくり担当
☎092-953-2211 ファクス092-953-4563