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2018 冬号 WINTER 通巻593号 平成30年12月20日発行(季刊)
発行 / 福岡県 県民情報広報課

 
 
 

列車でふくおかさんぽ 見渡せる眺めからまちの魅力に気付く旅 〜第3回 北九州モノレール〜

福岡県内を走る鉄道に乗ってお出掛けする旅を
ご紹介する「列車でふくおかさんぽ」。
今回は、北九州モノレールの旅へご案内します。
最大19メートルの高さから気付く
新たな発見が待っています。

旅先案内人

鉄道写真家 福島啓和(ふくしま ひろかず)さん北九州高速鉄道株式会社 総務部 愛甲健史(あいこう たけし)さん

鉄道写真家
福島啓和
(ふくしま ひろかず)さん

北九州高速鉄道株式会社 総務部
愛甲健史
(あいこう たけし)さん

 

「銀河鉄道999」の漫画さながらに、空を走り抜けるようなモノレール。小倉駅出発の際の発車音には、その主題歌が使われている

 
「モーノくん」

オリジナルICカード「mono SUGOCA」の導入時に誕生した人気キャラクター「モーノくん」

モノレールを真下から見上げた写真

小倉駅南口のペデストリアンデッキの下から見上げた風景

 
北九州モノレール路線図
 

駅ビル3階に直結!車窓からの景色は圧巻

 

 北九州モノレールは、1985(昭和60)年に開業しました。当時、都心部の渋滞が社会問題となっており、緩和するために整備されたのが北九州モノレール。当初は、車両基地がある企救丘(きくがおか)駅から平和通駅までの12駅でしたが、98(平成10)年に小倉駅の改装に伴い延伸され、線路が駅ビル正面の大きな開口部から延びる全国でも珍しい駅の連結が完成。小倉駅には、在来線や新幹線も乗り入れているため、乗り換えがスムーズで、さまざまな方面へアクセスするのに便利な路線となりました。

 全長8.8キロメートルで13駅をおよそ20分で運行。朝夕は、7分間隔で走行し、北九州都心部や沿線の高校・大学などへの通勤通学の足として活用されています。路線の魅力は、最大で19メートルの高さを走る車窓からの景色。車窓からまちを見渡すと、そこに広がる景色から気付かされることも。運営する北九州高速鉄道の愛甲健史さんによると、「例えば、競馬場前駅近くから見える、夏の青々と茂った芝生の景色は格別。タイミングが合えば、馬の練習風景にも出合えます」とのこと。北九州メディアドームが競輪競技用ヘルメットをモチーフにしていることがよく分かるのも、モノレールならではです。

雪景色の中を走るモノレールの様子

雪景色の中を走るモノレール

モノレールの横に立つ愛甲健史さん

間近で見ると圧巻の大きさ

 

勾配やカーブにも強い走行。市民の足として人気

 

 車両は4両編成で、ゴムタイヤを付けた列車が線路上を走るスタイルです。そのため一般の鉄道に比べて、走行時の勾配やカーブに強いのが特徴。路線は起伏が多いですが、安全・正確・快適な走行を続けています。

 「実は、モノレールはかなりの大きさがあるんです。だから、近くで見ると思った以上の車体の大きさに驚きますよ」と、愛甲さん。年に1度基地を一般開放する「モノレールまつり」や、モノレールの仕事を見学・体験できる「バックヤードツアー」では、他の鉄道会社にはないモノレールの特徴的な車体を間近で見ることができます。

 他にも北九州モノレールでは、市民の皆さんとの触れ合いの機会をたくさん設けています。その一つが、車両を貸し切って旅を楽しめる「チャーター便」です。これまでに、演劇などを行う文化イベントや、仲間が集まる誕生会など、さまざまな形で親しまれています。近年では、ラッピング車両も多く企画されています。中でも、地元出身の漫画家松本零士(まつもと れいじ)さんの代表作「銀河鉄道999(スリーナイン)」に登場するキャラクターをデザインした車両は、北九州観光の目玉にもなっています。モノレールの車窓の向こうには、旅するだけじゃない、いろんなワクワクが待っています。

サンタ列車の車内の様子

12月には、サンタ列車の運行も