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2018 夏号 SUMMER 通巻591号 平成30年6月20日発行(季刊)
発行 / 福岡県 県民情報広報課

 
 
 

福岡の先駆的グリーンツーリズム。
「あさくら」の魅力をそのまま
普段暮らしで迎えることが最高のもてなしに

 

 国内はもとより海外からの観光客も農村体験を求めてあさくらを訪れています。田舎の親戚を訪ねるような温かな触れ合いが宿泊者の心に刻まれます。一度に180人の受け入れも可能な、地域が一体となって笑顔を作る先駆的なグリーンツーリズムの魅力をご紹介します。

 

農村の魅力的なコンテンツ

 

 「あさくらは自然体験や工芸、農林業、歴史・文化、そして平和学習まで体験できるさまざまなコンテンツがある上に、温泉も楽しめる。本当に地域で丸ごと豊かな体験ができるんです」と、笑顔で出迎えていただいたのは朝倉グリーンツーリズム協議会事務局長の原野明彦(はらの あきひこ)さん。「普段暮らしのままのご家庭に泊まっていただくんです」。大勢が同じ場所に滞在するのではなく、グループごとに宿泊場所が異なることも魅力。料理好きなお母さんもいるし、地元の歴史に詳しい人もいます。登録している約140軒の家庭は事前に研修を行っていて、受け入れの準備が常時できていることが朝倉グリーンツーリズム協議会の強み。農家の仕事を手伝って、温泉に行って、夕飯を囲んだら、あさくらの景色をのんびりと眺めながら話をする……それぞれの暮らしを楽しみながら体験することで、家族のように農村で過ごす魅力が伝わります。「被災した町を感じてもらうことも大切。今の元気な姿も見てもらえますから」と力強く語る原野さん。あさくらのファンをもっと増やしたいと意欲は尽きません。

修学旅行の皆さん

修学旅行の皆さんがサンライズ杷木に到着

梅の収穫の様子

受け入れ家庭で梅の収穫体験

 
入村式の様子

入村式で初めて宿泊先のご家庭の皆さんと顔合わせ

朝倉グリーンツーリズム協議会の原野事務局長

薫製作りの様子

丸鶏の薫製作りを楽しんだグループも

 

歓迎。修学旅行ご一同さま

 

 この日、あさくらを訪れたのは岡山県の中学3年生、184名の皆さん。修学旅行の初日に、早速、入村式で受け入れ家庭の皆さんと対面します。校長先生や生徒代表のあいさつには被災された地域の皆さんへのお見舞いの言葉がありました。受け入れ先とグループごとに顔合わせが終われば、車でそれぞれのご家庭へ。梶原さんのお宅には生徒4人グループが宿泊します。

 梶原さんのお宅は杷木にある築150年の木造住宅。梶原さんが明るい笑顔で岡山の“孫”たちを出迎えます。お互いの自己紹介を済ませたら、畑に植えている小梅の収穫を手伝ってもらうことに。運動着に着替えた4人は、梶原さんに教えられて上手に小梅を収穫します。「意外に簡単」「ころころしてる」。枝の間から顔を出し、実を見つけては丁寧に摘んでいく生徒たち。約1時間でたっぷりの小梅が採れました。

 梅の状態を確かめて、直売所で販売する商品用に1キロずつ袋詰め。「ぴったり。みんな上手ね!」と梶原さんも感心していました。作業を終えたら温泉に向かいます。途中、昨年の災害の爪痕が生々しく残る寒水(そうず)地区へ。「復興途中の姿も見てほしかった」と言う梶原さんに、「自然の脅威を感じました」と生徒たち。心に町の姿が刻まれます。この景色、ここで暮らす人に触れた経験が生徒たちに“生きた学び”として実ることでしょう。

 朝倉グリーンツーリズムの活動は、受け入れる側にとっても楽しい体験。お互いが楽しみながら過ごす、まるで家族のような大切な時間が、あさくらの未来を輝くものにしてくれるはずです。

災害の爪痕を目の当たりにする生徒たち1
災害の爪痕を目の当たりにする生徒たち2

激しい災害の爪痕を心に刻む生徒たち

 
 
梅を収穫する様子

自分たちが収穫した梅に笑顔

小梅をチェックする様子

小梅は傷んでいないかチェックして1キロずつ袋詰め

 
梶原さんのお宅で談笑する様子

梶原さんのお宅で談笑しながら自己紹介

梶原さんと生徒たち

梶原さん宅にて記念撮影

 

あさくらの笑顔に触れて

 

朝倉グリーンツーリズム協議会会長 矢野公子(やの ひろこ)さん

「朝倉市を中心に地域が一体になって農村体験を受け入れできるのが強みです。皆さん、孫を迎えるように楽しんでくれることがうれしいですね」


問い合わせ 朝倉グリーンツーリズム協議会(あさくら観光協会内)
電話0946-24-6758 ファクス0946-24-9015

朝倉グリーンツーリズム協議会会長
矢野公子(やの ひろこ)さん