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2018 夏号 SUMMER 通巻591号 平成30年6月20日発行(季刊)
発行 / 福岡県 県民情報広報課

 
 
 

きらめきマイタウン豊前市

 

農村民泊・農業体験を通じて地域の魅力を高め、広めたい

岩屋グリーンツーリズム研究会

 

 山深く自然の美しい岩屋地区で、農業・農村の活性化を目的に、平成22年に設立された「岩屋グリーンツーリズム研究会」。

 「農村民泊や農業体験を通じて、国内外の人に豊前の魅力を体感してほしい」と、これまでにマレーシアや中国など海外の団体も受け入れ、インバウンド観光客の呼び込みにも取り組んでいます。

 現在のメンバーは、地元農家を中心とした14世帯19人。「シイタケのこま打ちやユズ狩りなど季節の農業体験に加え、貴重な神楽体験も豊前ならでは。海外の人にとっては布団の上げ下ろしもユニークな体験のようですよ」と事務局長の奥本隆己(おくもと たかみ)さんは話します。

 体験後、朝倉市から移住を決めた夫婦も受け入れ側として活動。会として、グリーンツーリズムに取り組むほか、地域との連携強化を課題に、コミュニティーを育んでいます。

「岩屋グリーンツーリズム研究会」の皆さん

「岩屋グリーンツーリズム研究会」の皆さん。過疎の進む地区の活性化を目指し、受け入れ先として地域の魅力を伝えている

 
体験農泊の様子

教育旅行を目的に市内の小学生が体験農泊。ユズ狩りを体験した時の様子

「豊築グリーンツーリズム協議会」の交流夕食会の様子

「豊築グリーンツーリズム協議会」の交流夕食会。岩屋、上城井、巣狩谷の3地区が共同で中国から32人の団体を受け入れた

 

海と漁場の環境を守りながら豊前海が育む海の幸を食卓へ

豊築(ほうちく)漁協青壮年部

 

 「豊前海一粒かき」や「豊前本ガニ」など、四季を彩る海の幸が豊富な豊前。それを下支えする「豊築漁協 青壮年部」には、現在、30代から60代までの漁師14人が所属しています。「部員の中には、地域おこし協力隊として豊前に移住して来て、漁師に転身した人もいるんですよ」と話すのは、副部長の矢頭大介(やず だいすけ)さんです。

 「豊前の魚のおいしさをダイレクトに届けたい」と、平成28年には、漁港内に漁協直営の食堂と直売所「うみてらす豊前」をオープン。今年6月で2周年を迎えました。魚介類に加え、近年はスーパーフードとして注目される海藻のアカモクにも力を入れています。

 漁に加え、魚のつかみ捕りなど「うみてらす豊前」のイベントもサポート。また、春と秋に行う海岸の清掃活動は、海と漁場の環境を守るため、欠かさず続けられています。

「豊築漁協 青壮年部」の皆さん

「豊築漁協 青壮年部」の皆さん。10年前から着目するアカモクは、毎年4月に収穫し、シーズンでパック2万個を売り上げるという

 
「うみてらす豊前」の様子

宇島漁港内にある「うみてらす豊前」。10月13日には「鮮魚まつり」が開催される予定

コウイカの写真

水揚げされたコウイカ。夏はコショウダイやハモが旬

 

有志で開発したご当地グルメ「豊前オニメン」で町おこし

豊前ご当地グルメ推進委員会

 

 「食で豊前を盛り上げよう」と市内の有志10人が立ち上がり、平成28年11月に「豊前ご当地グルメ推進委員会」は発足しました。メンバーは現在20名程度。30代から40代で、職業は大工や塗装業、飲食店経営者など、さまざまです。

 「特産の“豊前とうがらし”と豊前神楽をイメージさせるメニューにしたかった」と話すのは、委員長の大森和教(おおもり かずのり)さん。こうして地元の鬼伝説を連想させる、豊前とうがらしを使って赤色に仕上げた麺料理「豊前オニメン」が誕生。市内17店舗の飲食店にもオリジナルのオニメンの提供を依頼し、「ピリ辛で病みつきになるオニメンを食べ比べてほしい」と、イベントなどでもPR。

 そのかいあって参加店も増え、現在は家庭用のインスタントオニメンを開発中。熱意ある活動はこれからも続きます。

「豊前ご当地グルメ推進委員会」委員長の大森和教((おおもり かずのり))さん(右)と朝倉亮(あさくら まこと)さん(左)

「豊前ご当地グルメ推進委員会」委員長の大森和教さん(右)と朝倉亮(あさくら まこと)さん(左)

 
「豊前オニメン」の写真

「豊前とうがらし」を使った「豊前オニメン」。「五カ条の鬼のお達し」のルールのもと、ビーフン、パスタなどの麺を用いた、和洋中、味付けの異なる個性的な汁なし麺料理がそろう

「周防灘地域大物産展」の様子

福岡市役所前ふれあい広場で行われた「周防灘地域大物産展」に出店

 

故郷の素晴らしさを再発見し町づくりとおもてなしに生かす

豊前市史跡ガイドボランティアの会

 

 平成9年に発足した「豊前市史跡ガイドボランティアの会」は、地域の会員40人が所属し、求菩提資料館を拠点に、豊前の文化財や自然の魅力を広めています。立ち上げから所属し、代表を6年務めるのは、清田韶子(きよた しょうこ)さんです。

 「会員は私のように幼少期から歴史が好きで、地元を愛する60代が中心。ガイドでは会で作ったモデルコースを参考にしますが、市外から訪れる人の要望に合わせ、短時間で回れる見どころも案内できます。私自身も何度巡っても新たな発見があるんですよ」と瞳を輝かせます。

 メンバーはさまざまな対応ができるよう、養成講座なども意欲的に受講。仲間同士でも、カフェ部や写真部などの部活を作って親交を深め、知的好奇心のアンテナを張り巡らせています。

清田韶子(きよた しょうこ)さん

「良いガイドになるために、みんなで常に学び続けています」と話す「豊前市史跡ガイドボランティアの会」代表の清田韶子さん

 
ヒメシャガの写真

養成講座を受講した人がガイドとして活動。山中で絶滅が危ぶまれる県の天然記念物ヒメシャガの移植活動も行っている

安浄寺を案内する様子

求菩提山中にある安浄寺を案内する様子