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![]() 【プロフィール】
1950年宮崎県生まれ。福岡教育大学環境教育講座教授。NPO法人「科学の公園」理事長。九州大学理学部および同大学院卒。日本学術振興会奨励研究員を経て福岡教育大学へ。数年前から子どもたちが科学と楽しく触れ合う講座やイベントを実施しており、今年8月にはNPO法人を設立し、福岡県との協働で「出前科学実験」を行っている。
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2万ボルトの高電圧を帯電させる実験。もちろん身体への害はない
マイナス196度の液体窒素が急激に気化して、まるで花火のように噴出。子どもたちの興奮も最高潮に |
超低温の環境で「超伝導」が起こり、磁石も宙に。リニアモーターカーもこの原理の応用だ![]() 秋永さんが出前科学実験に持ち込む器材の数々。大学だからこそ用意できる |
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科学っておもしろい!
「ワーッ!」と子どもたちから歓声が上がった。身を乗り出した全員の目が、驚きと興味で輝いている。
子どもたちの手元では、マイナス196度という超低温の液体窒素の中で、風船が見る見るしぼむ。そして再び空中に出すと、今度は一気にふくらむのだ。 「すごーい!」「何で?」「カッコイイ」と子どもたちは言いながら、次々に試してみて、その反応を実感している。 そんな光景を愉快そうに見ているのが、福岡教育大学教授でNPO法人「科学の公園」理事長の秋永正廣(まさひろ)さんだ。 秋永さんは昔から科学や自然に興味を持ち、大学でも物理学を学んで教壇に立ってきた。しかしここ10数年、日本の深刻な問題を痛感してきたという。 「大学入試で理科が2科目から1科目に減り、高校での物理の履修率も下がってきた。大学の医学部学生が、高校で生物を習ってないという、がくぜんたる状況もあります。つまり、小中学生のころに『理科は難しい、つまらない』と感じて、それ以上に進まない子が増えているんですね。これではいけない。今まで日本を支えてきた『科学技術立国』の根幹も揺らいでしまう。どうにかしなければと思いました」。 そして1994年から取り組み始めたのが、「出前講座」だった。小学校などの現場へ赴き、超低温や磁力、高電圧などの実験を行って子どもたちに興味を持ってもらうという試みだ。 子どもの「なぜ?」の芽を素直に伸ばす
これまでに100回近い出前を行ってきた秋永さん。今年夏からは、他大学の先生や理科の教諭・OB、ボランティアグループなど100人余りを中心にNPO法人「科学の公園」を立ち上げ、「フクオカ・サイエンスマンス」を行う福岡県と協働で、県内各地の小中学校や子ども会、PTAなどに出かけている。
「一般の小学校では設備がないから、超低温や高電圧などの実験はとてもできません。でも、子どもは本来好奇心旺盛なもの。この風船の実験とか、高電圧を身体に通して髪の毛が逆立つとか、超伝導で磁石が空中に浮くとか、科学の専門知識がない子どもたちでも楽しみながら実験ができるんです」。 秋永さんやボランティアの学生たちは、「何でこうなるの?」という子どもの質問に無理に答えはしない。「理屈を教えられて『難しい』と感じるより、その疑問の芽を素直に伸ばして、いつか科学に興味を持ってもらえたらそれでいい」と話す。 県の呼びかけや新聞などの報道で、出前科学実験の注文は急増しているとか。科学の出張、ますます大繁盛のようだ。 |
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