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知事定例記者会見 平成29年2月17日(金曜日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年2月18日更新

知事定例記者会見 平成29年2月17日(金曜日)

この会見録は発言をそのままではなく、文章とする際読みやすいように整理したものです。

この知事記者会見録の模様は、  ふくおかインターネットテレビ  動画配信しています。

 (1)平成29年度当初予算の概要  (財政課)

 記者発表資料 [PDFファイル/2.62MB]

 (2)副知事の選任について  (人事課)

 記者発表資料 [PDFファイル/23KB]

(知事)おはようございます。よろしくお願いします。

 私から2件報告をします。

 まず初めに、2月24日開会の2月議会に提案する平成29年度の当初予算の概要を説明します。お手元に配布の資料に基づいて説明をします。

 まず、平成29年度当初予算のポイントですが、来年度は地方創生の具体化を進めていきます。そのために、県民幸福度日本一を目指し、これまで策定している県の人口ビジョン・地方創生総合戦略、そして今回新たに策定する県の総合計画に基づき、6つの政策課題に全庁を挙げて取り組んでいきます。あわせて、新たに策定する行政改革大綱と財政改革プラン2017に沿って、財政の健全化を着実に推進します。

 一般会計の歳入歳出予算の規模ですが、1兆7,209億円となっています。一般会計の予算規模は、前年度当初予算比で4.5%の減です。これは教職員給与負担の政令市への移譲による影響額が大きいわけですが、これを除いた政策経費の規模は右のほうにあるように1.3%の増加となります。

 次に一般会計予算のフレームについて、今回の特徴を書いています。

 まず、歳出面です。人件費は、教職員給与負担の政令市への移譲等により1,059億円の減、社会保障費は子ども・子育て支援の充実、高齢化の進展に伴い109億円の増、また公共事業は今後、保育所整備に係る補助金が国から県を経由せずに交付されることになりました。そういった特殊要因を除くと、実質的に42億円の増額となっています。

 歳入面については、県税は、円高によって輸入品に課税している地方消費税の減収などに伴い、281億円の減に、地方交付税、国庫支出金は社会保障関連の増があるものの、教職員給与負担の政令市への移譲等によって減となっています。これらの結果、45億円の財源不足が生じる見込みとなり、財政調整基金等三基金からの繰り入れを行い、収支の均衡を図っています。

 以下、先ほど申し上げた6つの政策分野ごとに、新規拡充した事業を中心に説明します。

 第1の柱、景気の回復と魅力ある雇用の場の創出です。

 一番上の中小企業の支援においては、中小企業振興資金の融資枠を十分に確保する。また、新たに創業する企業向けの資金の保証料負担をゼロにして、創業をさらに促進します。消費者への面接調査を行い、企業が開発した試作品の製品化の支援を行います。

 次にイノベーションによる成長産業の振興です。現在進めている自動車産業のアジア先進拠点推進構想の実現に向けて、カーエレクトロニクス企業に対する技術提案商談会、自動走行ビジネス研究セミナー、それから福岡モーターショー2017の開催に取り組みます。

 また、理化学研究所、県内大学・企業との連携による機能性表示食品や医薬品、また飯塚病院などと連携した医療福祉機器、福岡県IoT推進ラボ、県内企業、農林業総合試験場との連携によるAIを活用した農産物栽培支援システムなど、それぞれの開発を進め、バイオ分野、メディカル分野、IoT分野の振興を図ります。さらに、苅田港新松山地区に新たな工業団地を造成し、地域雇用の創出、経済活性化に努めます。

 次です。来年度も、私たちの生活と食を支える重要な産業として、農林水産業の競争力強化を図ります。

 平成28年度は、14カ月予算として、前年度比18%増の98億円の予算を確保しましたが、29年度はこれに対応する28年度の12月補正予算、また現在編成中の2月補正予算を含めて、同程度の伸び率を確保したいと考えています。

 具体的には、ブランド化では、県産の農林水産物や日本酒などの加工品を新たに福岡の食として一体的に売り込んでいくために、全国の外食事業者に対して働きかけ、福岡の食をテーマにした福岡フェアを開催します。

 「あまおう」の栽培に取り組む法人に対して技術指導を行うとともに、キウイフルーツの新品種「甘うぃ」の最適な輸送、集荷体制を確立することによって、それぞれの生産拡大に努めます。

 輸出促進ですが、アメリカにおける「あまおう」の販売促進フェアの開催、香港、台湾における果実ピューレなどの加工品の市場開拓を進めます。

 畜産業です。「博多和牛」の子牛を確保するための助成を充実するほか、生産から出荷まで一貫した衛生管理を行うHACCPの導入による「はかた地どり」の販売促進に取り組んでいきます。

 林業です。東京オリンピック関連施設に県産材を使用した家具を売り込んでいくための商談会への出展を支援します。

 次に、本県の魅力発信と観光の振興の分野です。「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群について、7月のユネスコの世界遺産登録を目指していますが、展示資料館等で祭祀遺跡を体感できる映像の制作、道路案内標識の整備など世界遺産登録に向けた準備を着実に進めていきます。この機を捉え、福岡古代の旅をテーマにウェブサイトなどを活用して、他の県内にある史跡や遺跡をあわせてPRすることによって、県内各地への観光客への周遊につなげていきます。

 次に外国人観光客についてです。その受け入れ環境を整備するため、旅館・ホテルが外国人を接客する際に利用できる多言語に対応する、困ったときに電話をして助けてもらうコールセンターの設置、福岡市内と県内温泉地を結ぶシャトルバスの試験運行に取り組んでいきます。

 また、今年の10月、全国豊かな海づくり大会を開催しますが、その際、本県のさまざまな魅力と元気のよさを内外に発信し、あわせて旧福岡県公会堂貴賓館を中心とする天神中央公園の西中洲エリアの再整備に取り組んでいきます。

 第2の大きな政策分野である、出会い、結婚、子育て、就職・仕事の支援です。子育て支援については、待機児童の早期解消に向け、引き続き施設整備を進めるとともに、保育の担い手の確保のために、保育補助者の雇上費用を助成するほか、潜在保育士の再就職の意向調査をし、就職希望者と保育所とをマッチングするコーディネーターの増員を行います。

 就職と仕事の支援ですが、UIJターンを促進するために、県外大学で合同会社説明会を実施します。また、女性、高齢者など多様な人材の活躍、結婚、出産、子育てにつながっていく働き方の改革も進めていきます。

 第3の柱、女性、高齢者の活躍です。女性の活躍においては、建設、情報サービスなど各業界固有の課題の解決を目指し、関係団体等が行う取り組みを支援します。また、女性農林漁業者が取り組む6次産業化商品の開発・製造に必要な機器の整備を支援します。

 70歳現役社会の分野においては、新たに九州・山口各県の共同事業として、九州・山口70歳現役社会推進大会を福岡県内で開催し、その取り組みを全国に発信していきます。

 第4の柱は、「ふくおか未来人財」の育成とスポーツの推進です。「ふくおか未来人財」の育成について、中学校における学力向上を図るために推進拠点校を指定して、授業・組織運営・人材育成の一体的な改善を実施するほか、県独自の学力調査の対象に中学1年を追加します。

 ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピックの開催が迫っています。本県ゆかりのトップアスリートを育成するため、中学生、高校生のアスリートの育成強化を目指す競技団体が取り組む技術講習会の支援を行うとともに、日本代表クラスの高校生に対する海外遠征費の助成を行います。

 ラグビーのワールドカップに向けて、県と福岡市合同の準備事務局を設置し、ラグビーの普及活動やその気運の醸成を目指したイベントを実施します。

 また、障がい者スポーツを一層推進するために、アスリートが国内外の大会に出場するための費用を助成するとともに、未経験者を対象とした体験イベントを開催します。パラリンピック絡みの障がい者スポーツにも力を入れていきます。

 第5の柱です。安心して生活できる共助社会の実現です。

 子供の貧困対策の一層の強化を図っていきます。28年度は子どもの貧困対策推進計画に基づき、貧困の連鎖を断ち切る対策として、総額734億円、98事業に取り組みました。29年度は総額759億円、105の事業に全庁を挙げて取り組んでいきます。

 具体的には、新たに生活困窮世帯を対象とした放課後児童クラブの利用料減免を行う市町村を支援します。また、田川地域に県内5カ所目となる子ども支援オフィス、そして自立相談支援事務所を設置するとともに、お子さんたちの学習支援を担うボランティアの人材バンクを設置して、県が一括してそのボランティアの募集とマッチングをする仕組みを構築します。

 次に障がい者の福祉の向上です。

 地域における発達障がいに関する相談、療育支援を行います発達障がい者支援センターを福岡、北九州両地域に設置するとともに、医学的知見から支援を行う発達障がい者支援拠点病院の指定を行います。

 高齢者施策の推進では、仕事と介護の両立を支援するため、介護応援宣言企業登録制度を新たに創設します。また、介護人材の確保・定着を支援していきます。

 最後の第6の柱は、安全・安心、災害に強い福岡県づくりです。

 熊本地震を踏まえて、地域防災力の向上のため、現在プロジェクトチームで検討を進めているところですが、新年度はその結果を踏まえて施策を展開していきます。事前防災、減災対策として、緊急輸送道路の整備、ため池・農業用ゲートの老朽化対策などを着実に進めていきます。

 木造戸建て住宅の耐震改修費用を引き続き助成するとともに、新たに住宅への耐震シェルター、防災ベッドの設置を支援します。

 本県が被災した場合に備えまして受援計画を策定し、市町村、物流事業者などとの合同訓練により、その実効性を高めるとともに、市町村の受援計画策定を促進していきます。ハード・ソフト両面から災害に強い福岡県づくりに取り組みます。

 治安についてです。暴力団事務所の撤去を促進するために、住民の負担なしに事務所の使用差止請求を行う暴追センターを支援することとします。

 飲酒運転の撲滅に向けて、カラオケボックスへの啓発映像を配信するなど若者をターゲットとした啓発を強化します。また、自転車の安全な利用を促進するために新たな条例を制定するとともに、高齢者、未就学児などを対象に自転車の安全利用講習会を開催します。

 快適な生活環境の整備については、合併処理浄化槽への転換を促進するために新たに既存設備の撤去等に係る費用を助成します。

 以上が予算の内容ですが、それとあわせて、冒頭申し上げました財政改革プランを策定したところです。社会経済情勢の変化に応じて県民ニーズにかなう行政サービスを提供するためには、県債残高の縮減、自主財源の確保などを通じて持続可能な安定した財政運営の実現が不可欠です。そのために新たな財政改革プランを策定したところです。その計画期間は平成29年度から33年度までです。

 目標は計画期間内にプライマリーバランスを黒字化する。必要な社会資本整備を着実に進める一方で、通常債の発行額と残高を毎年度確実に減少させ、平成33年度末における通常債の残高を28年度末に比べて780億円程度圧縮する。予期しない税収減や災害発生による支出増などの対応に必要な財政調整基金等三基金の残高を確保します。

 措置の内容は、5つの柱に基づき、歳入歳出両面からの改革を実施して、5年間で1,090億円の効果を上げます。これらを着実に実行することによって、持続可能で安定した財政運営の実現を目指します。

 以上、私から報告する1点目です。

 2点目は副知事人事です。

 山崎副知事の任期満了に伴う副知事の選任について、報告、説明します。後任に企業管理者の江口勝さんを考えています。江口さんは、企業管理者をはじめ、企画・地域振興部長、環境部長等、幅広い行政分野を務められ、組織の管理・運営にすぐれ、豊富な行政経験、また幅広い視野、高い識見を有していれます。詳細な選任理由及び経歴についてはお手元配付の資料のとおりです。

 なお、このほかの人事案件として、任期満了となる監査委員及び土地利用審査会委員、この2つがあります。

 以上、私からの報告を終わります。

質疑応答

(記者)2点予算の関係で伺います。一つは、今回の予算編成の狙いを簡潔に教えていただきたいのと、県債の残高がトータルで言えばかなり増えて過去最高を更新し続けているので、これについての受けとめを教えてください。

(知事)今回の予算を一言で言うと、「地方創生の具体化を進め、本県をもっと元気にする予算」と、このように位置づけています。私は年頭の記者会見でも、今年は地方創生の具体化に全力で取り組んで、この福岡県、九州、そして日本を元気にする年にしていきたいと言いました。地方創生とは、誰もが住みなれた地域で働き、安心してお子さんを生み育て、そこで長く暮らすことができる地域社会を県内のそれぞれの地域につくっていくということが基本だろうと思っています。その実現のための前進をしたいということです。

 もう一つは、この福岡県をもっと元気にしていく施策を伸ばしていく一方で、色々な問題や課題を抱えている県民の皆様に寄り添っていく温かみのある行政にも一層力を入れていきたいということです。先ほど冒頭に申し上げました6つの政策分野に重点的に取り組んでいきます。

 その際、何よりも若者がその地域から出ていかないで働き続けることができる魅力ある雇用の場の創出、そのための産業振興が1番です。2番目は、子育てと子供の貧困対策の充実・強化、3番目は、女性や高齢者など多様な人材の活躍、そして、結婚や出産、子育て、これは色々な分野の政策課題ですが、その解決のためのワーク・ライフ・バランスを進めていく働き方改革、これらを重点的に、全力で取り組んでいきたいと考えています。

県債残高については、国の補正予算による経済対策、あるいは災害対策で伸びてきています。持続可能な財政運営をしながら県民の皆様に必要な行政サービスを的確に提供していくためには、どうしても累積する債務残高を減らしていくことが大きな課題になっているという認識でいます。そのために、先ほどの報告事項で申し上げた財政改革プランを策定し、それに基づいてしっかりした財政運営をしながら、必要な行政サービスは的確に届けていきたい、提供していきたいという考えです。

 

 

(記者)全体的に、県が行う独自の事業などに充てる政策経費が伸びました。その政策経費が伸びたことをどう評価されるのかということが1点と新規事業の中にわりと、県産の農林水産物を大いに世界に働きかけようとか、結構おもしろいものが目立つなという印象を受けました。知事の所見を伺います。

(知事)政策経費は色々な人達と話をし、各部局、地域における、また県民の皆さんの色々なニーズの把握に努めてきて、この時点で、どういう分野に重点的に予算を使ったら良いかを考えてきました。大きな課題は地方創生です。各地を元気にしていくことが大事ですので、その点を踏まえて、今回、各部局に予算の編成を指示して、議論をして、このような形でまとめました。それぞれの分野で、この時点で必要な行政サービスをしっかり提供できるようにしたいと考えてつくりました。

 それから、今、農林水産業については、かねてから言っているように、福岡県の農林水産業はもっと伸びる産業だと私自身は思っています。TPPの帰趨のいかんにかかわらず、大事な福岡県の農林水産業をしっかり守り育てていこうと攻めの農林水産業にしたいということです。その考え方に立ち、今年度も先ほど言ったような予算を組みました。14カ月予算で、前年度から比べて18%アップさせました。今回も12月に補正予算で前倒しした事業がありますし、それと、今検討している2月の補正予算を合わせて、昨年度の18%と同程度の伸び率を確保していきたいと考えています。

 

(記者)観光の振興と文化の発信について、今年は世界文化遺産の審議が7月に控え、また海づくり大会があります。その一方で、2年後にはラグビーワールドカップ、3年後には東京オリンピック・パラリンピックがあります。そういった意味で、来年、新年度、どういった1年にしていくのか、その二つの分野について教えてください。

(知事)まずは、「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の世界遺産、これは登録を何としてでも実現させたいと思っています。それから、海づくり大会も同じ宗像地域で開かれます。そういった大きなイベントの機会を使って、福岡県のさまざまな分野で、水産業は当然のことですが、歴史、文化、産業、県産品のさまざまな魅力を内外に発信し、あわせて、福岡県の元気の良さ、魅力も発信をしていきたいという考えです。それに向けて、関係する各分野で色々な施策を検討して、今回の予算を各部局で計上しています。

 あわせて、2019年のラグビーのワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックも目前に迫っています。スポーツの分野に限って言えば、先ほど言ったとおりですが、これも大きな内外からお客さんが訪れる機会です。観光の振興、観光客の周遊につないでいくことが大きな課題ですので、これに向けても、関係部局が一緒になって今やっています。そこでも、内外の皆様に、福岡県の魅力ということで、歴史、文化、県産品、観光スポット、色々なものを幅広く発信していきたいと思います。実際に来てもらって、県内を周ってもらうような仕掛けを関係者が一体となって、おもてなし、いわゆる受け入れ環境の整備をしっかりし、コールセンターの設置もですが、そういった形で、今から着実に受け入れ体制の整備をします。

 あわせて、当然、大会自身を成功させないといけません。2019年のラグビーのワールドカップは全国12の会場の一つに博多の森球技場が選ばれています。そこでの試合、大会を成功させるためにしっかりやらないといけませんから、先ほど言ったとおり、市と一緒になって、そのために組織をつくっていきます。

 

(記者)今回、新規事業数がこの10年で一番多くなっていますが、この理由について説明してください。

(知事)行政を巡る環境が色々変化していて、地方創生という大きな課題に県内市町村各地域が一生懸命取り組んでいます。今、福岡県は人口も増えて非常に元気です。その元気、余力があるうちに将来の人口減に各地域が備えていけるよう、今やれることをしっかりやっていこうということで、きめ細かくニーズの把握と地域の現状を勉強して、今回の予算を組んでいます。

(記者)社会保障費が増大してきていますが、やはり予算を組み立てる上でも政策経費を捻出していかないといけないと思いますが、今後、社会保障費が伸びていく中で、どういった形で予算、政策経費を確保していくのでしょうか。

(知事)社会保障費の自然増というのは本当に大きなもので、それが我々の政策経費を圧迫しているというか、余地を少なくしている部分は確かにあります。したがって、これも今、県がやっている行政サービス、行政事務、事務事業をしっかり見直しながら、優先順位をつけていくことが大事だと思っています。そういうことを胸に刻みながら、必要なところには必要な予算が行くように、これからもしっかり取り組んでいきます。

 

(記者)子供の貧困対策について伺います。冒頭の知事の説明によると、去年を上回る予算が計上されていると思います。今年、全庁を挙げて取り組まれるということですが、特にその中で力点を入れられること、あるいは来年度の子供貧困対策全体として、どういうところに力を入れていきたいかを教えてください。

(知事)まず、子供の貧困対策は重要な政策課題と位置づけて、去年の3月に全庁挙げて取り組む、また、地域を巻き込みながら取り組むために計画をつくりました。先ほど言ったように、1年目の28年度は事業を増やして、予算も増やしました。

 今回、2年目に入るということで、今まで支援オフィスをつくったり、色々な活動をやってきた成果、あるいは課題を踏まえて、今回の施策の充実・強化で、全体で105事業、759億円を組んでいます。その中でも、きめ細かくやっていくことが大事だということで、放課後児童クラブの利用料の減免などを行います。

 貧困の連鎖を断ち切っていくことは単独の分野だけではできませんから、色々な分野の施策を糾合してやっているうちに、全体が貧困対策への対応になっていくと思っています。そういう意味では、各現場での色々な課題を集めて、一つは放課後児童クラブの利用料の減免をする市町村のお手伝いをするということと、我々はユニークなものだと思っていますが、今、4カ所に支援オフィスを置いて、自ら出張っていく。家庭に行って、お子さん一人一人の実情に合わせた支援計画をつくって、関係機関が一緒になって支援することを始めていますが、その利便性も含めて、今回5カ所にしていくのは大きな柱だと思っています。

 そういった現場に集まってきた情報やニーズを踏まえながら、実際の運用、施策の展開についてきめ細かく反映できるところはしていく、また、制度を変えないといけないところは将来変えていく、それを繰り返していきたいと思っています。

 

(記者)当初予算の編成内容の中で、私立学校の振興対策費を上げています。それについて聞かせほしいのですが、当初予算で外国人学校の教育振興事業費の一部として、朝鮮学校に対して150万円の補助金が支出されることになりました。なぜ朝鮮学校に支出する必要があるのかを伺いたいのが一つと、本来であれば補助金の原資が税金であるがために、例えば交付を受けようといった学校には一定程度の政治的中立性が求められるはずですが、そのあたりについての知事の考えを聞かせてください。

(知事)これは今までも言っていますが、朝鮮学校に対しては、運営費自体の補助は行っていません。今行っている事業については、朝鮮学校と地域あるいは日本の学校との交流事業の関係について補助をしています。県としては、朝鮮学校の生徒さんが、地域の皆さんあるいは日本の学校の生徒さんと積極的に交流を進めていくことによって、日本のことや日本人の考え方をより一層理解していくことは重要だと思っています。そのために、来年度も今年度同様、福岡インターナショナルスクールとあわせて300万円の予算を提案しています。

 そして、教育基本法で定める学校というのは、特定の政党を支持し、またはこれに反対するための政治教育やその他の政治活動をしてはならないという、政治的中立性を定めた規定がありますが、過去、本県の朝鮮学校に対する補助金交付に関して争われた裁判においても、朝鮮学校は各種学校であり、法律に定める学校には該当せず、その適用を受けないとされています。県は、先ほど言った事業の主旨に着目して、この補助を行っています。

(記者)同様の補助金が北九州市からも300万円出ているのですが、北九州市の場合は、朝鮮総連の影響が教育内容に及んでいないかといったことを懸念して、実際に学校で配られている教科書の内容にまで踏み込んで調査をしたりしているようですが、本県では実際に学校で使っている教科書に独裁者を礼賛する内容が盛り込まれていないかとか、そういったことは全くしていないという実情があります。それについてはどう考えていますか。

(知事)そういった調査等は補助金交付に当たって行っていませんが、先ほどの裁判の例、事業自体が的確に行われていれば、先ほど言ったように、朝鮮学校の子供たちに、日本のことあるいは日本の考え方を、直接交流することによって理解してもらう、それが増進されること、これに着目して出していますので、その主旨についてはしっかりチェックをしています。

(記者)それはどういうふうにチェックをしているのですか。

(知事)この補助金の目的がありますので、その内容に沿って事業が行われたかどうか、それに必要な支出が的確に行われているかということについて現認調査、あるいは書類による調査をしっかりやって、実際の交付額を決めています。

(記者)いかなる名目であるにせよ、去年の3月に文部科学大臣から、支給の妥当性をきちんと検討せよという通知が出ています。全国的に見ると、それを受けて、例えば来年度予算では、群馬県、神奈川県、三重県で補助金計上を見合わせていて、そういう自治体が増えている中、なぜ福岡はこれまでと同じく補助を続けるのか、その理由がよくわかりません。

(知事)先ほど言った考えに立って計上しています。

(記者)他県は他県だということですね。

(知事)色々な状況は我々も考えていきますが、現段階においては、今も言っているとおり、事業の的確な遂行を前提としてこの事業を続けていくことで予算を計上したところです。

(記者)わかりました。

 

(記者)姉妹都市、友好都市という枠組みで自治体間が交流することについて、知事の所感を教えてください。

(知事)姉妹都市などは地域間交流になると思いますが、あとは人と人との草の根交流というのは、国と国との信頼関係、友好関係の基礎になるものであると思っています。

(記者)わかりました。福岡県那珂川町が韓国の任実(イムシル)郡と姉妹提携都市を結ぼうという予算案を出しました。その際に、福岡県の国際局に問い合わせをしたときに、外交のさまざまな障壁があるとはいえ、このようなときこそ人的交流が必要だという回答があったと議会で答弁がされています。ただ一方で、任実郡のある全羅北道に慰安婦像が2カ所設置されています。そういう状況をもっても、障壁があっても人的交流が重要だという考えは変わらないということですか。

(知事)変わらないというか、今言ったのは一般論で、基本的な考え方を言いましたが、具体的な姉妹都市提携をどの地域とどのタイミングでどういう内容で行うかについては別だと思います。冒頭のお尋ねには私は一般論で答えました。

(記者)そういう慰安婦像がたくさん建てられている地域の自治体と、というのは、これは県ではなくて町の話なので口を出すことではないですが、適切か適切ではないかということではいかがですか。

(知事)今、福岡県が答えたという話がありましたが、那珂川町長の発言内容の詳細について私は把握をしていませんが、那珂川町から相談を受けた際に部局のほうは、先ほど言いましたように、一般論としてはそういうことはあるけれども、友好都市の締結については、それぞれの市町村で判断すべきであると一般論で言ったということ、個別に判断すべきことであるということを言ったと私は報告を受けています。

 要は、具体的に市町村が行う友好都市の締結については、その市町村と相手国や地域、それまでの交流がどんな経緯で、どんな内容で進んできたか、あるいは今後どういう取り組みをしていくか、それから周辺の国際情勢を総合的に判断をして、締結するかしないか、あるいは締結のタイミング、内容といったものをそれぞれの市町村が判断して決めるべきことだと思っています。そういう内容で部局は回答したと報告を受けています。

 当該市町村が相手の地域とこれまでどういう経緯で、どんなことをやってきたかなど、その辺についての評価はよくわかりませんから、それらをベースに、今後一緒になってやる取り組み、あるいはそれを進めた場合の周囲の受け取り方、環境といったものを総合的に判断して、市町村が判断すべきことではないかと思っています。

(記者)知事として、那珂川町に限らず、今、あのような問題がある韓国と姉妹提携を新たに結ぶことが一般的に適切か適切ではないか、どのように考えていますか。

(知事)適切か適切ではないかというのは、これまでの経緯と今後やることも含めて考えなくてはいけないことだろうと思います。一つ一つのケースで判断すべきであり、一番そこを経験し、考えてきたのは市町村でしょうから、そこがまずしっかり考えていくべきことだろうと思っています。

 

(記者)福岡空港の民営化後の運営会社に対する再出資について、福岡市のほうで若干議論になっているようですが、改めて知事のほうから、直接的な県民サービスに使えるお金ではあっても、再出資に使うメリットについて。どのように考えていますか。

(知事)かねてから答えていますが、福岡空港は福岡市内にあり、その役割、機能、それから我々が期待している今後果たすべき役割を考えると、福岡県、福岡市だけではなく、九州、西日本、そしてアジアの拠点空港になり得る空港だと思っています。そういった地域の思い、あるいは地域の活性化という観点からの役割を考えると、広域的な自治体である福岡県としては、我々の思いを、期待すべき空港の役割を果たしてもらうためにも、ぜひとも経営に参画する必要があると考えていまして、出資について国に働きかけ、認められたところです。そして今回、返ってきたお金でもって、将来、そのSPC(特別目的会社)に対する出資をするときの財源に充てていきたいと考えています。

 

(終了)

 


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