近年、 薬物乱用 が急増しており、薬物乱用に関するニュースが頻繁に聞かれるようになっています。
全国的にも、大麻汚染の広がりが話題になっており、MDMA等錠剤型合成麻薬の押収量も大幅に増加していますが、福岡県でも薬物問題は深刻です。特に シンナー等乱用少年 の検挙補導人員は、 全国ワースト1位 が続いており、大麻乱用の拡大傾向が見られるなど、予断を許さない状況です。
薬物乱用は「本人の意思が弱いからだ」「育て方が悪かったから・・・」という意見がよく聞かれますが、そうではありません。はじめは好奇心や苦しみから逃れるためというきっかけだったかもしれません。しかし一度使うとまた使いたくなり、心も身体も薬物なしではいられなくなって、自分の意思ではコントロールできなくなることがあります。それが、 薬物依存症 という病気です。
薬物依存の代表は覚せい剤や麻薬(コカイン、ヘロイン、LSD、MDMAなど)、シンナー、大麻などですが、違法ドラッグ(覚せい剤、麻薬などには指定されていないものの、それらと類似の有害性が疑われる物質)やガスへの依存もしばしば見られます。
市販の鎮痛剤や咳止め薬、病院で処方される睡眠薬なども、誤った使い方を続けると、依存症になる可能性があります。
薬物乱用を反復しているうちに心も身体も薬物のとりこになってしまいます。
薬物を強く欲する状態を“精神依存”といいます。くり返し薬物を使っていると、心と身体は慣れてしまいます(耐性)。
一方、薬物を急激に中断したり、減量すると、全身が震えるなどの不快な症状が出ます。これを“禁断症状”といいます。
それを防ぐためにさらに薬物を使わないといけない“身体依存”の状態になります。
イライラしている、気分が変わりやすい、誰かに見張られていると感じる(妄想・幻覚)、きちんと食事をとらない、目的なく動き回る、睡眠リズムの乱れ、無気力等
薬物を手に入れるため、借金を重ねたり、うそをついたり、盗みをすることがあります。結果、家族関係や対人関係がこじれ、次第に社会から孤立していきます。
薬物使用は自分の意思でいつでもやめられると思い、依存症になっていることを認めません。このため、薬物依存症は“否認の病気”とも言われます。これは、本人だけでなく、家族にもみられます。
まずは専門の医療機関で、適切な治療を受けてください。
しかし、通院・入院したからといって完全に治る病気ではありません。慢性に経過するので、病気とうまく付き合いながら地域社会で生活することが大切です。
回復者の多くは本人が同意して専門医療機関で治療を受け、さらに、リハビリ施設(ダルク:DARC)や自助グループ(NA)を利用しています。
そこでは、同じ問題を持つ仲間が集まり、お互いの体験を正直に語り合うなかで、「薬物を乱用して生活していた生き方」を振り返って、「薬物を乱用しない生き方」を学んだり、支え合うことができます。
尻ぬぐい(借金の肩代わり、物を壊したときの後始末等)、取り越し苦労をやめましょう。
借金の問題が大きいときは弁護士へ!決して肩代わりしてはいけません。
ご家族の方がなんとかご本人を助けてあげたいと思って一生懸命していることが、実際にはあまり役に立たないどころか、かえってご本人の回復を遅らせてしまうことがあります。
家族だけで抱え込まず、まずは家族がなるべく早く、関係機関(精神保健福祉センター、保健所等)に相談してください。
ふりまわされて心身共に疲れていませんか?
当センターでは、薬物依存家族教室を行っています。
家族の自助グループ(ナラノン、ダルク家族会)のご紹介も行っています。
ご家族の混乱が取り除かれ、ご家族が健康を取り戻すことで、本人が回復への道のりを歩み始めることにつながることがあります。
ご家族だけで悩まず、是非一度ご相談ください。

国立精神・神経医療研究センターのホームページに掲載されている「家族読本」もご参照下さい。
福岡県精神保健福祉センター
電話:092-582-7510
FAX:092-582-7505