受動喫煙防止対策について

平成15年5月1日に健康増進法が施行され、公共施設や医療機関、事業所では受動喫煙防止対策の推進がすすめられているところです。

福岡県では、今後の健康に関するたばこ対策のための基礎資料を得ることを目的として、事業所や医療機関における受動喫煙防止対策状況について調査を実施しました。

また、普及啓発用のちらしを作成しましたので報告します。

平成20年度「受動喫煙対策状況実態調査」調査結果

1調査の概要

(1)調査の目的

 平成15年5月1日に健康増進法が施行され5年が経過したところであり、公共施設や医療機関、事業所では分煙対策がすすめられているところである。

本県におけるたばこ対策のための基礎資料を得ることを目的として、平成15年度に、事業所や医療機関における分煙状況について調査を実施したところであるが、その後の状況を把握し、今後のたばこ対策を推進する上での参考とするため、「受動喫煙対策状況実態調査」を実施した。

(2)調査対象

ア 事業所等 

イ 医療機関

(3)調査方法

各保健福祉環境事務所および関係団体を通じて調査を依頼し、郵送、ファックスにより回答を得た。

(4)調査時期

平成20年11月〜平成20年12月

 (5)調査施設数

   表1 施設の種類                 

種類

施設数

医療機関

615

事業所

669

飲食店

118

宿泊施設

44

娯楽施設

24

その他

52

合計

1522

   結果のまとめは、医療機関および事業所等(事業所、飲食店、宿泊施設、娯楽施設、その他)の分類で行った。

2調査結果

(1)受動喫煙防止対策の実施状況

受動喫煙防止対策の実施状況は、敷地内全面禁煙が14.6%、建物内禁煙が29.3%であった。

敷地内禁煙と・建物内禁煙を実施している施設を合わせると、医療機関72.7%、事業所等23.7%で、H15年の調査(医療機関57.6%、事業所等5.9%)と比較し増加していた。

表2 受動喫煙防止対策の実施状況   

 

施設数

敷地内全面禁煙

220

建物内禁煙

442

屋内に喫煙場所がある

565

対策なし

283

無回答

12

合計

1522

   表3 受動喫煙防止対策の実施状況(施設種類ごと、平成15年調査との比較)

 

医療機関(H20)
(n=615)

医療機関(H15)
(n=899)

事業所等(H20)
(n=907)

事業所等(H15)
(n=135)

 

n 

敷地内禁煙

192

31.2

167

18.6

28

3.1

0

0.0

建物内禁煙

255

41.5

351

39.0

187

20.6

8

5.9

屋内に喫煙場所を設置

153

24.9

341

37.9

412

45.4

59

43.7

対策なし

13

2.1

36

4.0

270

29.8

62

45.9

無回答

2

0.3

4

0.4

10

1.1

6

4.4

(2)主目的部分の喫煙状況(敷地内全面禁煙の施設を除く、複数回答)

主目的部分の喫煙状況は、全面禁煙は 28.9%  自由に喫煙できる施設が 27.5% で、ほぼ同じ割合であった。

 表4 主目的部分の喫煙状況         

 

施設数

全面禁煙

370

禁煙、一部の煙の漏れない禁煙場所を設置

185

禁煙、一部に喫煙場所を設置しているが、煙・臭いの漏れあり

333

喫煙タイム、禁煙タイムを設置している

40

自由に喫煙できる

352

無回答

30

合計

1310

(3)執務室の喫煙状況(敷地内全面禁煙の施設を除く、複数回答)

執務室の喫煙状況は、全面禁煙が 37.3% 、自由に喫煙出来る施設が 23.6% であった。

  表5 執務室の喫煙状況           

 

施設数

全面禁煙

477

禁煙、一部の煙の漏れない禁煙場所を設置

183

禁煙、一部に喫煙場所を設置しているが、煙・臭いの漏れあり

264

喫煙タイム、禁煙タイムを設置している

53

自由に喫煙できる

302

無回答

37

合計

1316

(4)喫煙場所のタイプ(敷地内全面禁煙の施設を除く)

敷地内禁煙を実施していない施設における喫煙場所のタイプは、全体・医療機関・事業所等とも屋外での喫煙を除くと、換気扇を設置しているところが多かった。また、空気清浄機のみを設置している施設の割合は、医療機関で 1.4 %、事業所等で 5.0 %であり、 H15 年の調査(医療機関 5.9 %、事業所等 9.6 %)と比較し減少していた。

6  喫煙場所のタイプ(重複回答も含む)  

 

施設数

屋外で喫煙

580

換気扇を設置

382

空気洗浄機を設置

50

換気扇と空気清浄機を設置

153

換気扇も空気清浄機も設置していない

143

その他

49

無回答

34

合計

1391

表7 喫煙場所のタイプ(施設別・平成15年調査との比較、重複回答も含む

 

医療機関 (H20)
(n=423)

医療機関 (H15)
(n=732)

事業所等 (H20)
(n=879)

事業所等 (H15)
(n=135)

 

屋外で喫煙

287

67.8

421

57.5

293

33.3

10

7.4

換気扇を設置

77

18.2

185

25.3

305

34.7

53

39.3

空気清浄機を設置

6

1.4

43

5.9

44

5.0

13

9.6

換気扇と空気清浄機を設置

39

9.2

86

11.7

114

13.0

25

18.5

換気扇・空気清浄機ともなし

21

5.0

74

10.1

122

13.9

16

11.9

その他

8

1.9

39

5.3

41

4.7

10

7.4

無回答

11

2.6

104

14.2

23

2.6

14

10.4

(5)空気清浄機に対する知識

「空気清浄機は、有毒なガス状成分が除去できない上に粒子状成分も除去性能が低く、受動喫煙対策としてほとんど意味がないことを知っていますか?」という質問に対し、「知っている」と答えた施設の割合は、全体では 41.4% であった。

 施設別に見ると、医療施設で 52.0% 、事業所等で 32.1% であり H15 年の調査(医療機関 54.3 %、事業所等 40.7 %)と比較し、事業所等では減少していた。

 表8 空気清浄機に対する知識       

 

施設数

知っている

611

知らない

865

無回答

46

合計

1522

表9 空気清浄機に対する知識(施設別、平成 15 年との比較)

 

医療機関 (H20)
(n=615)

医療機関 (H15)
(n=899)

事業所等 (H20)
(n=907)

事業所等 (H15)
(n=135)

 

知っている

320

52.0

488

54.3

291

32.1

55

40.7

知らない

271

44.1

403

44.8

594

65.5

74

54.8

無回答

24

3.9

8

0.9

22

2.4

6

4.4

(6)今後の受動喫煙防止対策の実施

今後の受動喫煙防止対策の実施意向について、当面対策の予定はない施設が 39.9% と多かったが、 ( 10 、図 7) 現在既に対策をとっている施設からの回答も含まれていると考えられたため、現在の受動喫煙防止対策別に解析を行った。

現在建物内禁煙の施設で今後敷地内禁煙の実施を検討している施設の割合は、医療施設 22.3 %、事業所等 11.2 %であり、現在対策が不十分と考えられる施設(「屋内に喫煙場所がある」もしくは「何も対策は行われていない」施設)において、今後、建物内もしくは敷地内禁煙を実施する予定の施設の割合は、医療施設 38.0 %、事業所等 15.8 %であった。また、「何も対策はおこなわれていない」施設においては今後も対策の予定がない施設が多かった。

10  今後の受動喫煙防止対策   (複数回答あり)

 

施設数

敷地内全面禁煙

223

建物内禁煙

357

煙の漏れない喫煙室を設置

79

煙・臭いが多少漏れても、喫煙コーナーを設置

127

当面対策の予定はない

569

その他

71

無回答

112

合計

1538

(7)受動喫煙対策が困難な理由

 受動喫煙対策が困難な理由は、全体では、「費用がかかる」「喫煙者からの協力が得られにくい」「喫煙室を作る場所がない」と回答した施設が多かった。

特に、「屋内に喫煙場所がある」もしくは「何も対策はおこなわれていない」施設について受動喫煙対策が困難な理由について解析した結果、もっとも多かった回答は、医療施設で「喫煙者からの協力が得られにくい」、事業所等で「喫煙場所の設置、分煙機器の購入費等に費用がかかる」であった。また、「受動喫煙対策の必要性を感じない」と答えた施設は、医療施設 7.2 %、事業所等 16.0 %であった。

11 受動喫煙対策が困難な理由   (複数回答あり)

 

施設数

喫煙室の設置、分煙機器の購入費等に費用がかかる

399

喫煙者からの協力が得られにくい

381

喫煙室を作る場所がない

342

必要性を感じない

157

担当者の時間がとれない

11

その他

126

無回答

426

合計

1842

  表 12  対策が不十分と考えられる施設における対策が困難な理由   (施設別、重複回答も含む)

 

医療機関 (n=166)

事業所等 (n=682)

 

喫煙場所の設置、分煙機器の購入費等に費用がかかる

48

28.9

224

32.8

喫煙者からの協力が得られにくい

68

41.0

195

28.6

喫煙室を作る場所がない

48

28.9

183

26.8

必要性を感じない

12

7.2

109

16.0

担当者の時間がとれない

2

1.2

3

0.4

その他

11

6.6

64

9.4

(8)職員や利用者からの反応

現在の対策を実施している中での職員や利用者の反応について、全体ではたばこが吸えないという苦情は 9.3% であり、全面禁煙の要望や分煙が出来ていないことへの反応の方が多かった。

また、対策が不十分と考えられる施設(「屋内に喫煙場所がある」もしくは「何も対策はおこなわれていない」施設)について解析してみると、「全面禁煙にして欲しい要望が寄せられる」と回答した施設の割合は、医療施設 9.7 %、事業所 11.5 %であった。また、屋内に喫煙場所を設置している施設において、「煙や臭いの漏れがある」と答えた施設は、医療施設 24.9 %、事業所 30.0 %であった。一方、対策がある程度整っていると考えられる施設(敷地内禁煙・建物内禁煙を実施している施設)においては、「禁煙区域で喫煙する人がいる」、「たばこを吸えないという苦情がある」といった意見があったものの、「禁煙・分煙に伴う問題はない」という回答が大部分であった。

13  職員や利用者からの反応  (重複回答を含む)

 

施設数

煙・分煙に伴う問題はない

852

煙や臭いの漏れがある

246

一部に分煙されていない場所がある

64

禁煙区域で喫煙する人がいる

96

全面禁煙にしてほしい要望

118

たばこが吸えないという苦情

148

その他

68

無回答

164

合計

1756

3まとめ

平成 15 年の健康増進法施行後、医療機関や事業所では、敷地内禁煙の施設や建物内禁煙の施設が増加しているが、何も対策が行われていない施設もある。

喫煙場所に空気清浄機を設置していたり、空気清浄機では受動喫煙としてほとんど意味が無いことを知らないと回答した施設も半数近くあり、今後周知に努めたい。

平成20年度「受動喫煙対策状況実態調査」調査結果

啓発用ちらし

受動喫煙防止対策啓発用ちらし(PDFファイル 935.75KB)

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